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「運がいい人」とはどういう人か

世の中には、運がいい人、というのがいる。 普通なら思いもつかないような出会いに恵まれたり、懸賞や宝くじにもバンバン当たる。歩いていればお金も拾うし、たまたまカフェで隣りあった人から大きな仕事の話をもらったりもする。 生まれついてのラッキー・…

誰もが絶対食べてみたくなるカレーの話・小山薫堂『もったいない主義』より(R)

カレーの話。 どんなに満腹の人にでも、必ず食べてみたいという気持ちにさせるカレーがある。なにも特殊なカレーではない。ふつうの人参とふつうのじゃがいも、ふつうの肉の入ったふつうのカレーである。 ある大学の、オープンキャンパスの日のできごと。 大…

ファミレスでマルチの勧誘を見た話(R)

数年前のできごと。 ファミレスに入ったら、隣の席でマルチ商法の勧誘の真っ最中だった。茶髪の若い女性が70代くらいのおじさまを一生懸命口説いている。つい聞き耳を立ててしまったのだが、なんでもゲームの中でプレーヤー同士がトレードをするときに使う…

知とアービトレージ(R)

「センパイは昔っからアービトレージだからなあ」少々酔いの回った後輩Cがそう言ったのは夜の12時を越えたころ。言ってくれるねえ。ところで、アービとレイジって何?修二と彰みたいなもの?青春アミーゴ? 「知らないんすか!?サイテー取引ってことっすよ」…

3月26日日曜日、北千住で公開講座『認知症との上手な付き合い方』開催します!

3月26日日曜日、よみうりカルチャー北千住で公開講座『認知症との上手な付き合い方』開催します! もの忘れと認知症との違い、さまざまなタイプの認知症について、認知症のリスクを減らす食生活とは、大事な人が認知症になったらなどなど、盛りだくさんでお…

R-1でのブルゾンちえみネタ飛び号泣を憂う。

かえすがえすも残念だったのはR-1のブルゾンちえみである。 ネタが飛んでしまったとか言って泣いてしまったことは、彼女の人気を失速させるきっかけになるだろう。 その昔、毒舌で人気だったトニー谷が人気が落ちたきっかけはご子息の誘拐事件で、マスコ…

「しらたきがすき焼きの肉を硬くする」は誤解?-実証実験に再検討の余地アリ。

2017年2月27日、日本中に衝撃が走った。数多くのメディアが一斉に新たな事実を伝えた。「しらたきがすき焼きの肉を硬くする」というのはフェイク・ニュースだったというのだ。 「しらたきがすき焼きの肉を硬くする」は誤解――こんにゃく協会、実験で確認 - IT…

Tears in Heaven(R改)

歳をとったせいか、最近なぜか涙もろい。 人の言葉に涙し、ネットの何気ない書き込みで涙し、雑誌のちょっとした記事に涙し、なんてことのないヒットソングの一節で涙する。 歳をとると涙腺が緩むと聞いたことはあったが、一体全体どういうわけだろう。 こど…

ウォシャウスキー兄弟(現・姉妹)のマイノリティ的視点と『マトリックス』に関する一仮説。

映画『マトリックス』1999年公開から18年後のネオ、トリニティ、モーフィアス役の三人の写真というのをネットで見つけた。 1作目から18年! 3人そろったキアヌ、キャリー=アン、ローレンス Todd Williamson / Getty Images - 最新芸能ニュース一覧 - 楽天WO…

ブルゾンちえみとは2017年のトニー谷であるーR-1グランプリを前に。

www.youtube.com 「どうも、キャリア・ウーマンです」 ブルゾンちえみを動画で見てから、彼女のことが頭から離れない。 コシノジュンコをリスペクトしたショートボブというよりはおかっぱといいたい髪型と濃いメイク、どこかで見たことがあると思ったらハリ…

明日20日月曜日20時から渋谷クロスFMで「カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style」第2回放送です!

月1回放送のインターネットラジオ番組「カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style」、明日20日20時から渋谷クロスFMで放送です! 明日は、国民一人あたりGDP世界ナンバーワンのヨーロッパの『小さな大国』、ルクセンブルクの謎に迫ります!視聴は渋谷ク…

意志と知恵(R)ー上野千鶴子氏「日本の場合、みんな平等に貧しくなればいい」論に思う

社会学者の上野千鶴子氏がこう言った。「日本は少子高齢化で、大量の移民も受け入れられない。みんなで平等に貧しくなりましょう」 資源輸入国の日本が、みんなで平等に貧しくなることを指向したら、それは「死」を意味する。豊かになったほかの国が、石油や…

差異と歳ー君は『機関車トーマス』の汽笛を聞き分けられるか?(R改)

親戚の小さな子どもと話していて、『機関車トーマス』の話になり驚いた。 「トーマスの汽笛はなんていうの」と聞くと、「えーとね、クックー」、「じゃあゴードンは?」と聞けば、「コッコー」。「パーシーは?」、「パーシーはキッキー」。 大人にとっては…

イスタンブール、1996年冬(R改)

その晩もイスタンブールは寒くて、ぼくらは日本人旅行客が集まる安宿、いわゆる「ジャパ宿」の二階の廊下にあるストーブの周りに座ってだらだらと話をしていた。 自分の部屋に帰ってもやることもないし部屋には暖房もないから心底冷える。そもそもが部屋と言…

知恵者の話ーメイク・トゥモロー・グレート・アゲイン(R改)

世の中にはすごい知恵者がたくさんいる。 誰もが仕方ないよと肩をすくめるような苦境も、そんな知恵者にとっては自分を試すチャンスだ。 正直うまくいくとは限らないが、叩けばこそ扉はひらかれる。 知恵者の話その1. 九州にあるGという会社のK社長にお会…

ニューヨークのワニとインチキ医学(R)

ニューヨークのワニの話。 大都会ニューヨークである男が一心不乱に路上に灰をまいていた。 周りの人が不思議がって何をしているのかと尋ねる。 「人喰いワニを追っ払っているんだ」、男が言う。何を言ってるんだ、ニューヨークに人喰いワニなんかいるわけな…

アノ芸名に隠された名前の法則がこんなにすごい!

みなさんこんにちは、寒い日が続きますがお元気ですか? 突然ですが名前って大事ですよね~。 ありきたりな名前では覚えてもらえないし、あまりにキラキラしてても冷やかされる。 ほんと、改めて名前って大事。ましてや芸能人ならなおさら。芸名ひとつで売れ…

冬眠志願

(レ:レディー我賀山 フ:ファースト田中) レ、フ:どうもーこんばんはー レ:レディー我賀山です。 フ:ファースト田中です。二人あわせて レ、フ:『れでぃ~☆ファースト』です! レ:いや~寒いですね~。 フ:ほんと寒いね。 レ:したいね~、冬眠。 フ…

感情負債仮説ー飲み会翌朝に「死にたくなる」のはなぜか

「飲み会はほどほどで切り上げるようにしてるんです。あまり盛り上がりすぎると翌日死にたくなるから」 ある時、同僚のある医師が言った。 「なんというかね、人間のポジティブな感情の総量は一定で、飲み会とかで盛り上がり過ぎるとそのポジティブな感情を…

必要とファッションー『コーヒー片手に買い物女子』とB系の共通点についての一考察

テレビ番組『怒り新党』の中で、「スタバなどでテイクアウトしたコーヒーを片手に買い物するオシャレ女子を見かけるがいかがなものか。あれはいい女アピールなのか」みたいな話をやっていた。 いるよなーそういう人とか思いながら見ていたのだが、その中で「…

よそ者、若者、バカ者 プラス・ワン(R改)

「大事なのは、よそ者、若者、バカ者。それとエロ者やね」。Tさんは力強く宣言し、スダチ酎ハイをぐびりと飲んだかと思うと、深い眠りに落ちた。 地域活性化を語る飲み会での一幕である。 街起こしや地域活性化で重要なのはよそ者、若者、バカ者というのはよ…

医者が病気を説明するときに思うこと。(R改)

二十代のころ、深夜のドライブ中に車が急に止まってしまったことがある。 時計の針は午前3時、国道357号という自動車専用の高速道路みたいな道の上だった。機械オンチ、車オンチのぼくは途方に暮れ、JAFに助けを求めた。 ありがたいことにJAFのお兄ちゃんは…

老政治家が教えてくれたいくつかのこと-国会議員が乗車無料な理由と新聞切り抜きのわけ(R改)

その昔、とある老政治家がぼくにこんなことを教えてくれた。その老政治家は元国会議員で元市長、空港の近くの町に住んでいた。 「国会議員にはJRの無料乗車などの特権が与えられている。マスコミや国民の批判もあって、東京近郊の議員などにはそんな特権は…

『カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style』、ニコニコチャンネルで見られます!

昨日は渋谷クロスFMの新番組『カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style』第1回目でした! 超強力助っ人、旅人のアッキーこと大谷明と幸せ研究家・松本彩さんをゲストに迎え、「大人って何?」&「幸せって何?」をテーマにお送りしました。お聞き逃した…

渋谷クロスFM『カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style』、始まります!

1月16日(月)20時より、渋谷クロスFMで新番組『カエル先生・高橋ひろかつのradioclub.style』が始まります!毎月第3月曜日にお送りいたします。 こちらのサイトでネットでの視聴もできますのでぜひお聞きください!! ShibuyaCross-FM

病院の待ち時間を考えるー「到来型待ち時間」と「到達型待ち時間」

病院と言えば長い待ち時間、というくらい病院を受診すると待たされる。「3時間待ちの3分診療」なんて言われるくらい、日本の病院では待たされるイメージがある。 病院の名誉のために申し上げると、統計をとってみると実は3時間待ちというのは例外的なできご…

ufufu.tvで健康情報コラム始まりました!

ネットメディア、ufufu.tvさんで健康情報コラムが始まりました。第一回は「風邪」。 ぜひお読みください! ufufu.tv

ルクセンブルクの国民負担率95%のナゾ

長年のナゾがもしかしたら解けそうなのでご報告。 長年のナゾというのは、国民負担率(所得のうち何%を税金と社会保険料のために払っているか)の海外比較の表で、2013年のデータで日本は41.5%の国民負担率なのに対し、ルクセンブルクはなんと95%というの…

クリスマス・キャロル2016(R)

クリスマス明けの月曜日、知人がこんな話をしてくれた。 「あっ、プレゼントだ!やった〜!!」。 12月25日、子供たちの喜びの声が家中に響き渡ったんだよ。いつもは出来るだけ長く寝ていたいうちの子たちも、この日ばかりは一刻も早くと寝床から飛び出しはし…

冬至の朝、再生と復活を想う(R)

サンスクリット語で「心身のやすらぎ」「休息の場所」を意味するそのホスピスは、京都のはずれにあった。ひとしきりホスピスの中を案内してくれたあと、事務長さんがぼくを庭に誘ってくれた。 寒い季節だったけれど小春日和の庭は暖かく、ベンチに腰かけてポ…

<過去の“不良”行為 市長が中高生に自慢>に思う(R改)

兵庫県西宮市の市長が中高生向けのイベントで「おれも昔は授業をさぼってタバコを吸ってたりした」と発言してしまい問題になっているという。 headlines.yahoo.co.jp 「俺も昔は悪かったんだよ」と言いたがる男の人には時々出会うがあれはどういう心理なのだ…

なぜ世の中の友達というものは病気の人にテキトーなアドバイスをするのだろうか。

「右から左へ受け流してください。全力で」 たまりかねてぼくはそう言った。ある日の診察室での出来事。 「血圧の薬は飲み始めると一生やめられないから飲まないほうがいいって友達に言われた」 「クレストールは飲むと死ぬって友達に言われた」 「糖尿病に…

welq問題を機に考える、モノを書くときにきちんとした引用が必要な著作権法以外の理由

「肩こりは動物霊のせい」でおなじみのwelq by DeNAが公開を中止した。 医療情報サイト公開中止 DeNA・守安社長、会見で陳謝(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース 社長は「成長を追い求めすぎた」と会見で述べたそうだけど、追い求めたのは成長じゃなく安…

週刊現代<気をつけろ!減塩しすぎると認知症になる>に気をつけろ!

今週発売の週刊現代の表紙には<気をつけろ!減塩しすぎると認知症になる>の文字が躍っている。 ここのところ週刊ポストを筆頭にアンチ減塩ブームと味噌汁の猛プッシュが激しいが、内容がテキトーなので困ったものだ。「肩こりは動物霊のせい」でおなじみの…

「ふるさと納税」は反・民主主義かもしれないという話

「ふるさと納税」の納税額が急増しているとのニュースをテレビでみて、「ふるさと納税」と「クールビズ」は同じ構造だと気付いた。大義名分と実利がセットだと制度は普及・定着しやすいということだ。 大義名分だけでもダメ、実利だけでもダメ。 「クールビ…

『仕事は楽しいかね?』マックスと読む週刊ポスト 医療情報リテラシーの鍛え方④

ここ1、2週、週刊ポストでは<「塩分を減らせば血圧が下がる」は間違いだった>特集をやっている。減塩は高血圧治療の第一歩とでもいうもので、<「塩分を減らせば血圧が下がる」は間違いだった>と言われるとほんまかいなと思ってしまう。 ちなみに、高血圧…

救急車有料化について一人の医者が考える(R改)

救急車の出動件数が増え続けていることを背景に、救急車有料化の議論が医療機関以外でも広まってきた。ごく一部の心ない市民がタクシー代わりに救急車を利用しているため、医療機関内では昔から救急車有料化すべきだという感情が多数派を占めるように思う。 …

インテリジェンス・オフィサーと読む週刊ポスト <「塩分を下げれば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>はやっぱり間違いだったー医療情報リテラシーの鍛え方③

週刊ポスト記事、<「塩分を減らせば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>を題材に、専門外の情報の真偽をどう見極めていくかを考えている。 ほんとかウソかわからないような情報の海を渡っていく場合、特に専門外の情報をどう判断するかは重要だ。自分の専…

エンジェル投資家と読む週刊ポスト <「塩分を減らせば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>はやっぱり間違いだったー医療情報リテラシーの鍛え方②

週刊ポスト<「塩分を減らせば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>という記事を題材に、自分の専門外の領域の情報の真偽を確かめる方法について考えている。 次から次へと本当ともウソともわからない情報が飛び交う中、すべての分野の情報をじっくりと検討…

ネットウォッチャーと読む週刊ポスト <「塩分を減らせば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>はやっぱり間違いだったー医療情報リテラシーの鍛え方①

21日発売の週刊ポストでは先週号に引き続き<「塩分を減らせば血圧下がる」はやっぱり間違いだった>という特集をやっている。特集では<「塩分過多が高血圧を引き起こす」という“常識”を覆した本誌前号の特集は、大反響をもって迎えられた。>(p.32)と盛大…

週刊ポスト<「塩分を減らせば血圧下がる」は間違いだった>は間違いだった

今週発売の週刊ポスト11月25日号では、<その健康常識 今では大間違い>という特集をしている。表紙の中でも目につくのが<「塩分を減らせば血圧下がる」は間違いだった>の文字。 それにしても何度も思い知らされるのが雑誌の読者の高齢化だ。だって冒頭カ…

ハフィントンポスト記事『誰がトランプに投票したのか』を読んで。

ハフィントンポストの記事『誰がトランプに投票したのか』を読む。 www.huffingtonpost.jp 記事では①トランプ支持者は決して「白人低所得」層だけではなかったこと、②若者はヒラリー支持、高齢者はトランプ支持だったこと、③ヒスパニックの29%がトランプを…

『隠れトランプ』から学ぶ3つのこと。

今回の大統領選挙でおおかたの予測がはずれたのは「隠れトランプ支持」がいたからだという。世論調査で「トランプ支持」と明言すると「差別主義者」「低所得の白人」とレッテルを貼られるので、隠れてトランプ氏を支持してた人がかなりいたということだ。 こ…

Obama will be back !?-これからアメリカを襲う3つの失望と、ポスト・トランプ

まさかのトランプ大統領誕生である。これからどうなるんだろうと今朝考えて、ひとまずの結論を得た。これから、アメリカを三つの失望が襲っていく。 一つ目はヒラリーを支持したエスタブリッシュな人たちの失望。どんなにマイノリティのため、多様な価値観の…

11月8日、アメリカ大統領選-なぜアメリカでは火曜日に選挙をやるのか

11月8日、アメリカで大統領選挙が行われる。 細かく言うと、行われるのは大統領を選ぶ人、選挙人を選ぶ選挙だ。 全米で538人の選挙人を選び、選ばれた選挙人たちが12月に大統領を選ぶ。それぞれの州の選挙人数は、各州の上院と下院の議員数の合計と等しい。 …

映画化希望ーネット起業家から警察官になった男、ブレット・ゴールドスタイン その1

誰かブレット・ゴールドスタインの話を映画かドラマにしてくれないだろうか。 ゴールド・スタインはネット起業家からシカゴの警察官になった男だ。ジリアン・テット『サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠』(文春E-BOOK 2016年)の第5章に出てくる。 以下…

AIと欲望の果て

以前から「生産性の上がり過ぎた世界で何が起こるか」ということについて考えている。 思考実験として、1人の人がそれぞれ1の食糧を生産し、1の食糧を消費する100人の村を考えてみる。 1人の人が1の食糧を作り、自分で食べたり売買したりして暮らしている…

週刊文春『飲んではいけない薬』を読んでー最善の薬の副作用対策とは(R)

「ぼくくらいになるとね、何でも患者さんの前で調べちゃうんだよ」 十数年前、F先生がぼくら研修医に言った。 薬の副作用の話を特集した週刊文春の『飲んではいけない薬』の記事を読んでF先生の言葉を思い出した。 F先生は大変な博学で、どのような病気の…

週刊文春『飲んではいけない薬』を機に確認しておく薬によるパーキンソン症状

今週木曜日発売の週刊文春では、『飲んではいけない薬』を特集していた。 執筆者が鳥集徹氏だったため当初警戒して読み進んだ。警戒した理由は二つあって、鳥集氏は例の週刊現代の特集の一部を執筆していたことと、その昔『ネットで暴走する医師たち』という…

絆と納豆(R)

「きずなはね、切れたら結ぶ、切れたら結ぶの繰り返しや」。 糸に半ぶん、と空中に指で文字を書きながらH先生は言った。H先生はそのとき86歳、京都で60年地域医療をやってこられた。 国民健康保険制度もないころから西陣の職人の家を一軒一軒回り、独居の病…