2015-11-01から1日間の記事一覧

医の心~外国人医師に負けた話(R)

見知らぬタイ人ドクターに完全ノックアウトされたことがある。 先に言っておくが、「それ以来タイ人恐怖症」というオチの話ではない。 幸いにして今のところ、そんなベタなダジャレを言うほど落ちぶれてはいないのである。ほんとは言いたいけど。 今から十年…

「髪の毛一本で病気が分かる」だって??-インチキ・ドクターに騙されないために。(R)

「別のクリニックで検査を受けて脳腫瘍の疑いがあると言われて気になってるんですが…」。ある日、顔なじみの患者さんが唐突にそう切り出した。 「髪の毛の先を特殊な方法で分析して、脳腫瘍やうつ病、肝臓病や白血病なんかがないか全身の病気が全部わかるん…

「地域包括ケアシステム」を考える3(R)

「地域包括ケアシステム」についてつらつら思うところを書いた。その中で、義務教育との類比で地域医療を論じた。 国民に一定水準の教育を保障する義務教育があるように、国民に一定水準の医療も保障されるべきではないかという話だ。ナショナルミニマムとい…

「地域包括ケアシステム」を考える2(R)

「地域包括ケアシステム」と聞くたびに感じる喉に刺さったままの魚の小骨のような感じについてもう少し書く。 第二の小骨、「ベッドタウンどーすんの」問題について、ぼく自身がベッドタウンで育った人間「郊外の子」、言ってみれば「俺は郊外生まれベッドタ…

「地域包括ケアシステム」を考える(R)

「地域包括ケアシステム」という言葉を聞くたびに、ぼくは喉に魚の小骨が二、三本刺さったような気持ちになる。 考えをまとめるために、つらつらと書いてみたい。 「地域包括ケアシステム」は、団塊の世代が75歳になる2025年を前に、自分たちの住む地…

「病院が無くなると医療費と死亡率が下がる」は本当か(R)

尊敬するH先生の教えに、「物事は静止画で見るな、動画で見よ」という言葉がある。 時間軸に沿ってはいるが飛び飛びで恣意的に切り取られた事象だけ見ていると、真の因果関係を見失い、間違った結論を信じ込む羽目になりかねない。 例えばこんなふうに。 「…

鬼手仏心~ある外科医師の思い出(R)

「おい、コブラって何だ。俺知らないぞ」 唐突に響くN教授の声。 広がる当惑。 朝の7時、場所は外科の症例検討カンファレンス。 医学生時代の出来事。 カルテや患者さんのレントゲン写真を前に、ぼくら医学生より何年か先輩の新米ドクターが汗をかきかき教…

ミニマリストに憧れて~「何もない部屋」で暮らしたいのに。(R改)

恥ずかしながら片づけが苦手である。立って半畳寝て一畳、風を友にし石を枕にする生き方に憧れるが、今流行りのミニマリストの足元にも及ばない。このままミニマリストに憧れてバラをくわえて踊っていても、いつまで経っても地下の酒場のカルメンと今夜メト…

良い仕事の敵、もう一つの3I (R)

良質の仕事の敵は3つの「I」だ。すなわちイデオロギーIdeology、無知Ignorance、惰性Inertiaである(参考文献:A・V・バナジー、E・デュフロ著『貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える』みすず書房2012年 p.35。原文は政策の失敗の理由に…

良いスピーチのコツ~Iの3乗(アイキューブ)の法則

たかがスピーチ、されどスピーチ。 スピーチを頼まれて気が重くなり、ああでもないこうでもないといろいろ検索したり調べたり、スピーチ前日の深夜になってもなにも決まらないことがある。 しかし良いスピーチのコツはシンプルで、必要なのは3つのI(アイ)…