スタバに思う(inspired by tinect)

愛読するtinect.blogが10月9日付でスターバックスの接客について書いている。
<例えば、スターバックスの店員さんは「いらっしゃいませ」ではなく、「おはようございます」や「こんにちは」という挨拶をしてくる。
(略)ある友人が私に言った。

スターバックスの店員さんは、なんか知り合いや友達の感じがするんだよね」>

スターバックスの接客の良さの源は何にあるのか | Books&Apps


スターバックスが日本に上陸したのは1996年で、たしかにそのころそんなフレンドリーな接客をするチェーン店はなかった。
「いらっしゃいませー」ではじまるそれまでのチェーン店流接客では「私は店員の一人、あなたはお客の一人。ここはお店で、仕事でやってます」というのが前面に出ていた。
しかし「こんにちはー」ではじまるスタバ接客は「私は個性を持った人、あなたも個性を持った人。たまたま今はお店だけれど、これは出会い」という、あえて言えば幻想を与えてくれる。

 

そういう接客スタイルが生まれ育ち愛されたのがシアトルというのは興味深い。
シアトルはマイクロソフトやアマゾンの発祥の地で、
もの言わぬPCを相手に1日に25時間、1週間に8日間働いていたITエンジニアたちは、「私は人、あなたも人」というフレンドリー接客に魅せられたのだろうか。


都会の匿名性やIT産業のクール&ドライさの中に生きていた人々にとって、きっとそうした「私もあなたも個性と顔を持ったひとりの人間」というスタイルは、ちょっとしたオアシスのようなものだったのかもしれない。


もし人間関係が濃密で、ウェットでナロウなスモールタウンでスタバが生まれていたら、こんな世界企業に育っただろうか。
こじゃれた内装とちょっとうまいエスプレッソベースのコーヒーを飲ませる名店として地元でひっそりと愛され続けていただけかもしれないと思うと、いろいろとおもむきぶかいことだ。