3分診療でどこまでできるか4『痛いところを指でさす』

3分診療のままでいいとは思わない。それでもなお、できることがある。

はじめて病院を受診して、心配なのはうまく症状を伝えられるかということ。医者にうまく症状を伝えられないと、ほんとは重症なのにスルーされてしまうかもしれない。

「頭が痛い」「胸が痛い」「おなかが痛い」など、どこか痛くて受診することは多いけれど、そんなときは言葉で説明しながらすぱっと「ここが痛いんです」と痛む場所を指でさしてしまうとよい。
一言でおなかが痛むといっても、みぞおちのあたりの痛みと下腹部では医者が想定する病気が異なる。
「あしが痛い」といっても、あしの付け根からつま先までの「脚」が痛いのか、くるぶしから先の「足」が痛いのか、足の親指だけ痛いのかでやはり考えるべき病気が違ってくる。

だから少しでも言葉でうまく説明できないと感じていたら、診察室に腰掛けるなり「ここが痛いんです」と指さして医者に伝えてしまう。
パソコンの画面ばかり見ている医者もなにごとかと思ってこちらを見てくれるだろうし、海外の病院だって有効な方法だ。
指で痛いところを指して説明すればよい、というのは看護教育の母ナイチンゲールの『看護覚え書き』の中に出てくる方法で、「出来る医者は患者にああだこうだ説明させる前に、まず『どこが痛いか指さしてください』と頼む」的なことが書いてある。

さすが、ナイチンゲールである。

お試しください。

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

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