『病名告知は突然に』~ムント・テラピストへの道(R)

昨日知ったことだが、歌手・小田和正は大学進学の際、もともとは千葉大学医学部を受験するつもりだったのだが、カーテンがあまりに汚かったので志望校を変更したのだという。
もしカーテンがもっときれいだったら、名曲「ラブストーリーは突然に」は生まれてこなかったが、代わりに名曲「病名告知は突然に」が生まれていたはずである。

歌い出しは「なにから伝えればいいのか わからないまま時は流れて 浮かんでは消えてゆく ありふれた言葉だけ」。
カルテには「病名告知済み:あの日 あの時 あの場所で」と記載、診察が終われば「もう終わりだね 君が小さく見える」と言い、どんな質問にも「オフコース」と答えるドクターが誕生していたはずである。
そう考えると、もっと千葉大のカーテンが綺麗だったならと悔やまれる。
惜しいことをしたものだ。


(interlude)

 

ラブ・ストーリーは突然に」の替え歌、「病名告知は突然に」を思いついてから病名告知について考え中。
実はもともと思いついた替え歌はもっと不謹慎なものだったのだが、あまりに不謹慎なので自粛してみた。
どれくらい不謹慎かは今度お会いしたときにでもお話しします。

医療業界でのスラングでは病名告知や病状説明を「ムンテラ」と言ったりする。

ムンテラはドイツ語のMund(口)とTherapie(治療)を組み合わせた言葉で、たぶん和製英語ならぬ和製独語だと思う。
安易なスラングや略語、横文字の使用は思考停止や想像力の低下につながる(「引きこもり」という言葉は聞く人になんらかの感情や具体的に苦しむ本人・家族の姿を想像させるが、「ニート」はなんの感情ももたらさない)ので僕自身はムンテラと言う言葉は使わないようにしているが、仮にもTherapie、治療と名乗るからには、なにがしかの治療効果のある良いムンテラをしたいものだ。

そうはいってもムンテラ(口先治療)の名手とかムントテラピスト(口先治療人)とか呼ばれたらちょっとヤだな。
神の手ならぬ神の口先を持つ医師、ゴッドハンドならぬゴッドムントとか。
(FB2013年12月27日・28日を再掲)

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45