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3分診療でどこまでできるか12『何かって、何?』

3分診療のままでよいとは思わない。それでもなお、できることがある。

 

体の不調があって病院にかかって、一通り診察や検査を受けてなんでもないとする。
そんなときに医者から言われる定番のセリフに、「何かあったらまた来てください」というものがある。

職業的口癖のようなもので、自分でもつい言ってしまうのだが、いつも言いながら頭の中で自問する。
何かって、何?

何かあったらというのでは漠然としすぎている。

何かあったら来てと言われても、宝くじが当選したから病院に来るわけでもないだろうし、泥棒に入られたからといって病院に来るわけでもない(来られても困る)。何かあったらというのは体の変調のことだろうし、であればもう一歩踏み込んだ情報が欲しい。

例えば帯状疱疹という病気がある。皮膚に赤いぶつぶつがぶわーっと出てくる病気で、痛みを伴う。
悩ましいのはこの病気、痛みが先に出てきて皮膚のぶつぶつは数日あとから出てくることがあるのだ。
だから正体不明の痛みで受診して、受診したときにはなんでもなくて痛みどめだけ出されて帰宅することになったりする。
今までぼく自身が経験しただけでも、単なる頭痛かと思ったら頭の帯状疱疹だったケースや、ちょっとした腹痛だと思ったらおなかの帯状疱疹だったケース、腰痛かと思ったら背中中心の帯状疱疹だったケースがある。

そんな経験をすると、患者さんが帰るときに「何かあったらまた来てください」では物足りないことを痛感する。きちんと、「帯状疱疹という病気では、痛みから数日遅れて発疹が出ることがあります。もし数日以内に赤いぶつぶつが出てきたら、必ずもう一度受診するか、お近くの皮膚科に行ってください」とフィードバックしないとならない。

もしあなたが体調不良で病院を受診して、「何かあったら、また来てください」と言われたら、「どんなところに気をつければよいですか?」とか「どんなときにまた来ればいいですか?」と念押しの確認をしておくことをお勧めする。
医者にとっては言うまでもないほどの常識でも、医者以外の人は知らないということはたくさんある。そこのところを知らない医者も少なくないので、きちんと言葉で確認しておくことがとっても大事なのである。

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

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