少子化問題の解決策は安全な社会~「公園インデックス」の提唱 2(R改)

先日思いついた「公園インデックス」について妄想をふくらませてみる。
「公園インデックス」はキャサリン・オースティン・フィッツの「ポプシクル・インデックス」にヒントを得たもので、「近くの公園に子供を一人で遊びに行かせて心配ないと思う親の割合」を意味する。昔に比べて今の公園では親のつきそいなしで遊んでいる子供が少ないのではないかという疑問から生じたものだ。

この「公園インデックス」は今の段階ではただの思いつきだが、これをどう料理したらよいだろうか。


まずは実際に公園にでかけ、親のつきそいなしで遊んでいる子供とつきそいありで遊んでいる子供の数をカウントする。子供の性別・年齢もぜひきちんと調べたい。
そうすると何歳くらいまでの子供に親のつきそいが多く、何歳からは親のつきそいがなくて一人で遊びに来ているかがわかる。

一カ所の公園でその調査を行い、平日・休日や季節ごとの差が明らかになれば、今度は別の地域の公園で同じ調査を行う。結果が出たらそれを各地域の性質(人口・世代構成や犯罪検挙率、地域の税収など)と比較する。
そうすると親なしで遊びに来ている子供のわりあいが高いのはどういう地域かが見えてくるはずだ。

傾向がわかったらそこでまず第一段階の研究発表を行う。
題はそうだな、「Park index/公園インデックスの提唱;第一報」とでもしておこうか。
ここで大事なのは「公園インデックス」という概念の提唱者として世間に認知されることである。

次に研究は第二段階に進む。
インターネットや電話で大都市と地方都市の親1000人にアンケートを行う。
「あなたはご自分の子供を心配なく近所の公園に一人で遊びに行かせることができますか」という質問に、イエスかノーかで答えてもらう。
ここでも大都市と地方都市で答えの分布に若干のばらつきがでることが予想される。そのばらつきと地域ごとの出生率などを比較し、公園インデックスの高い地域ほど出生率が高い傾向にあるという答えを無理矢理ひねり出す。

そうすると、少子化をくい止めるには「公園インデックス」の高い社会にしなければならないという結論が恣意的に導き出されるので、ここまでくればあと一息だ。

参考として海外の事例、たとえば住民参加により公園をつくることでコミュニティ再生を目指すアメリカのボランティアの事例やコミュニティコーディネーターの事例を盛り込む。


問題提起だけでは弱いので、「公園インデックス」を高める処方せんも提示したい。
親が安心して子供を公園で遊ばせられるように、地域の高齢者による公園見守りボランティア導入を提言すれば高齢者の活用ということで厚生労働省の研究助成金も獲得できるかもしれないし、「ICT技術により公園をネットワーク化してコミュニティの再生を図る」とでも言えば総務省がらみの補助金ももらえるかもしれない。
少子化時代の公園強靱化計画ということで国交省から研究費をもらう手もあるな。

そうやって研究をまとめて、学術論文としては「少子化時代のP2P―Popsicle indexからPark indexへ」としてまとめ、「少子化解決は公園から」と題して新書をどこかから出してもらえば、少子化問題審議会の委員に呼んでもらえるかもしれない。
まだまだ夢は広がるなあ。

 

さて、悪のりはこれくらいにして真面目に考えると、実際に調査をして仮に出生率が低い地域で「公園インデックス」が低いという現象が確認されたとしても、まだ問題は残る。一番問題なのは出生率と「公園インデックス」の間に因果関係があるのかが不明なことだ。
雨の日に傘をさしている人が多いからといって、傘を取り上げても雨がやむわけでない。原因と結果を取り違えたり、ただの相関関係を因果関係と誤認したりして社会現象を論じるのは危険である。
もっとも、そうした因果関係が証明されていない思いつきレベル(に見える)の言説によって政策が左右されて巨額の国家予算が平気で使われていたりするのに驚くことがあるが。

まあ、「公園インデックス」はアイディアとしてはおもしろいと思うので、誰か調査してくれないだろうか。
(FB2013年11月8日を再掲)

 

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