3分診療でどこまでできるか28『震災発生後10日~14日に胃潰瘍による出血がピークにーリスクを下げるには環境改善、プロトンポンプ阻害薬』

日経メディカルオンライン4月21日配信の記事『要警戒!消化管出血は震災10日後にピーク』をもとに書く。
元記事はこちらで、ぜひ直接お読みいただければと思う。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/eye/201604/546630.html

 

上記記事によれば、東日本大震災発生後10日後に胃潰瘍などからの出血の発生はピークに達したという。震災前の時期と比べると、発生件数は約5~6倍になったとのこと。

また阪神大震災のときにも胃潰瘍などからの出血は震災発生後14日にピークになったという。

出血する胃潰瘍のリスクが高いのは避難所生活をしていた方々だったとのことで、熊本地震の場合にも胃潰瘍の発生の急増が懸念される。記事では、簡易ベッドなどを使うことで避難所生活の環境を少しでも改善することが大事なのではないかと指摘されている(正確には胃潰瘍と簡易ベッドの使用などによる環境改善との関係は記述されていない。深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群を減らすのに環境改善が役立つはず、というのが記事の文意だ)。

また、同記事は、脳梗塞心筋梗塞の再発予防のために抗血栓薬(「血液サラサラの薬」)を飲んでいるかたは、胃薬の一種プロトンポンプ阻害薬を飲むことで出血性胃潰瘍を減らせるはずと述べている。

記事の中ではそうした抗血栓薬を飲んでいない方がたのリスクを下げる話は書いていない。だが、抗血栓薬を飲んでいない方々も胃潰瘍のリスクは高まるはずだ。
参考までに、代表的なプロトンポンプ阻害薬を以下に記載しておく。

 商品名/薬品名(化学式の名前)の順で書く。

オメプラール/オメプラゾール

タケプロン/ランソプラゾール

パリエット/ラベプラゾール

・タケキャブ/ポノプラザン

・ネキシウム/エソメプラゾール

 

いい加減なことを書くわけにはいかないため、歯切れの悪い書き方になった。
繰り返しになるが、元の記事をぜひ直接お読みいただきたい。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/eye/201604/546630.html

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