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次世代の電子カルテを考える~医者がみのもんたになる日

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ネットで最近読んだ話でこんなものがある。

平成生まれの人が平成10年生まれの後輩に、「なんで平成一桁生まれの人って、がんばってフリック入力Twitterしてるんですか?」と聞かれた、というものだ。

平成10年生まれ「何で平成一桁生まれの人たちって、がんばってフリック入力でTwitterしてるんですか?」 - Togetterまとめ
平成10年生まれといえば18歳。18歳の人にとっては音声入力が当然で、フリック入力は面倒でそんなことをわざわざしているなんて信じられない、ということだ。

 

ガラケーのテンキー入力を愛しすぎてスマホフリック入力に切り替えられないぼくとしてはさらにその先にユーザーが進んでいることにびっくりする。

そう考えると紙カルテか電子カルテかなんて周回遅れもいいところかもしれない。

医学生時代、見学に訪れた病院では放射線科のドクターたちが画像診断のレポートの所見を音声で吹き込んでいた。今から20年も前で、コンピュータへの音声入力ではなく専門の秘書さんかなにかがあとでテープ起こし(カセットテープも使わなくなりましたね)してたんだろう。

twitterやsiriで音声入力を使えるくらいだから、電子カルテへの転用も早晩行われるであろう。次世代電子カルテでは、マイクに向かって音声入力すれば文字テキストに変換される。
長文の文字テキストをサマライズするソフトと組み合わせて、「承認」ボタンをおせば正式な電子カルテの記載になるようなシステムは技術的にはすぐできるだろう。
キーワードを拾い上げ、可能性のある病気を患者さんの年齢や性別、喫煙の有無と組み合わせて確率の高い順にリストアップし表示する。それぞれの病気の診断を深めるために行われるべき検査のオーダー画面を同時に表し、空いている検査日も画面に出す。

患者さんの許可を得て、患者さんのスマホの中のスケジュール情報とすり合わせれば、検査予約の候補日も絞り込める。

必要であれば処方妥当性の高い薬のリストも出せるだろう。

そんな次世代電子カルテ、各社で現在開発中なんだろうなあ。

ぼくが関心があるのは、そうした新しい電子カルテが現れたときに医者側にどんな行動変容が起こるかだ。
バイスは人間の思考・行動に影響を及ぼす。
紙カルテではささっと手書きしていた人間の体の模式図(痛い部分などを図示する)も、電子カルテ時代には書かれなくなった。

どうしても書きたいドクターは電子ペンなどを使っているが、多くのドクターはわざわざワンアクションとるのは面倒で、言葉で「脚」「額」とか入力するほうを選ぶ。
バイスが変わると行動様式も変わるのだ。

ピアノを使うミュージシャンとギターを使うミュージシャンでは、作曲するメロディラインが異なるそうだ。ピアニストが弾きやすいメロディライン、ギタリストが手癖で弾くことの多いコードというのがあり、自由に作曲する場合でもそれに影響されるのだ。Fのコードは痛いからねえ。

QWERTYキーボードから音声入力へ電子カルテが変わったとき、どのような思考と行動の変容が医者に起こるのか。診断Aiにより医者は不要になるという考えもあるが、それはもうしばらく先の話だろう。
ぼくが思うに、音声入力時代の医者は、司会者的な資質が求められるようになる。
聞き取りやすい滑舌、センテンスの短い会話、キャッチ―なキーワードをちりばめたトーク。
医者がみのもんたになる日も、近い。ガクリ。

 

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