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仕事がらみの飲み会が廃れない理由ーface to faceと割引率(R改)

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                       (写真はイメージ。photo ACより)

 

先日、近隣のクリニックのドクターと地域での連携について打ち合わせがあった。
認知症が疑われる方にどう医療機関にかかってもらうかという「入口問題」や、家族への適切な情報提供・病状説明が認知症患者さんの様々な症状をこじらせにくくする話などをface to faceでじっくりと。
今まで患者さんを紹介したりされたりというおつきあいはあったが、直接じっくりお話しするのは初めてで、こうした顔の見える関係づくりは非常に大切だなあと改めて痛感する。

 

医療分野では最近、医師不足を解消するために「地域連携○○パス」とか「ITを活用した紹介システム」とかを作りましたなんて話がよくある。
数百万〜数億円かけてそうしたものを作るのだが、ほとんど使われてなかったりして呆れることもある。たぶん、大きな予算枠を分捕って「がんばってこの事業をやりました!」「地域のためにこんな最新システムを作りました!」なんて言いたい人たちがいるのであろう。

だが、使わないシステムづくりにお金をかけるくらいだったら、定期的に地域の医療関係者同士が飲み会でもやったほうがよっぽどいい連携ができる。互いの「できる度」と人間性がわかっていれば本来なら電話一本で片が付くのがプロフェッショナル同士というものだ。

 

実は以前、仕事相手とのパーソナルでウェットな関係性づくりということに疑問を持ったことがある。
仕事は仕事、やるべきことは多くの場合明らかなのだから、是々非々でやっていけばいいのではないか、時に飲食を伴うようなウェットな関係というのは<なあなあ><馴れ合い>を生むのではないかと考えたのだ。
外から見ると仕事だか遊びだか判然としないような、仕事上のおつきあいというのは必要性がよくわからないなあとずっと思っていた。

 

あるとき友人Iが言った。
「そうした飲み会とかのつきあいって、相手の人柄がわかることがあるよね。仕事と人柄は直接関係ないというけれど、相手の人柄がわかると、<割引率>がわかるんだ」
投資の仕事をしているIは、ハヤシライスをつつきながらそう言った。

 

仕事相手の言っていることをどの程度割り引いて聞けばいいか、人柄がわかるとそれがわかるようになる。
自分の実力や見通しについてありのままを語るタイプか、話を<盛る>タイプか。
<盛る>タイプだったら、相手の話を割り引いて聞かなければならない。
飲み会の席でチラリチラリと傲慢さや横暴さが垣間見えるタイプなら、長期的なおつきあいについては割り引いて考えたほうがいいかもしれない。
傲慢さや横暴さが出てしまう人というのは、どこかで失敗して失脚したりすることもあるから。

 

なるほど、割引率か。
Iの話に納得し、それ以来仕事相手との飲食を伴うおつきあいというものを敬遠しなくなった。
こんなふうに仕事相手との夜遅くまでの飲み会というのはとてもとても大事で大切なことなのだが、家庭の理解を得られるかは、また別の話だ。
(FB 2014年7月17日を加筆再掲)

 

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