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テレビの健康情報とオリンピック直前報道の共通点とは(R改)

「テレビで言ってたけど、○○で××が治るってほんとですか?」
医者になりたてのころはこうした話にも心を乱していたけれど、最近では冷静に対応できるようになってきた。

 

「えーとですね、可能性がゼロではないかもしれないんですが、テレビや雑誌・新聞っていうのは構造的な弱点がありまして。こう書けば売れる、こういう番組を作れば視聴率が取れるっていう話のほうが取り上げられやすいんですね。

 

それとスポンサーや広告主の存在もありますね。
もちろんCMのスポンサーや広告主が嘘を書かせるといいたいわけではないんです。
ただ、AというネタとBというネタがあったときに、スポンサーが嫌がるようなネタより、スポンサーが喜びそうなネタを優先せざるを得ないんだと思います。
だから、テレビや新聞・雑誌の話っていうのは、話半分に見ていただいて、『へーそんなこともあるかもしれないね』ぐらいの温度でみてもらうのがいいんじゃないかと思いますよ」

 

完全にテンプレート化・フォーマット化された答えをぼくが返すと患者さんが言った。
「なるほど。視聴者やスポンサーが喜ぶように、可能性がゼロでなければおおげさな話になっていくわけですね。それを鵜呑みにしちゃいけない、と。
確かに、ワールドカップやオリンピックでも大会が始まる前には『日本、決勝進出間違いなし』、『金メダルも狙える』、『日本、ベスト4入りか』、『日本が優勝する可能性もある』なんてテレビ番組ばかりですものね。で、はじまってみると実際にはそんなにうまい具合にはいかないのがわかる、と。
そうかー、視聴者やスポンサーが喜ぶ話かー。いや、勉強になりました」

勉強になったのはぼくのほうで、こんなふうに患者さんから学ぶことの多い日々である。

もうすぐリオ・オリンピックですね。
(FB2014年7月28日を加筆再掲)

 

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