13日深夜のネットニュースでは、とうとうSMAPが解散するという。
同年代であることとリミックスアルバム「SMAP BOO」は何度も聞いたなーという以外はそれほど思い入れもないのだが、このニュースで頭をよぎったのは以前見聞きした「解散するグループやバンドと解散しないグループやバンドの違いは何か」という話。
「解散するバンドとしないバンドの違いってわかる?」
訪問診療先をまわる車の中でS先生がそうぼくに聞いたのはずいぶん前。
「音楽性?」と僕が答えた。
「残念。じゃあヒントね。すぐ解散しちゃったビートルズと、いまだに現役のストーンズはどう違う?」
ラブ・アンド・ピースなイメージのビートルズはすぐ解散しちゃったが、ワルなイメージのストーンズは今も仲良く活動中だ。
「すぐ解散したビートルズと解散しないストーンズの違い…。オノ・ヨーコがいたかいないかとか…。それだと普遍性がないか」
「はずれ。そんな答えじゃ“満足できない”から“黒く塗る”わよ(笑)。答えはね、メンバーの年齢差。年齢が近いバンドやグループはすぐ解散しちゃうんだけど、年齢差の大きいバンドやグループはなんだかんだで長続きするのよ。
複数の医者で診療所とかクリニックとか開業するときでもそうね。医大の同級生同士で開業するとすぐ喧嘩別れしがちだけど、年配の医者と中堅とか年齢差のあるメンバー同士でやると、喧嘩になったときに相手が年配だからとかの理由で妥協しやすいのかもね」
改めて調べてみると、ビートルズはジョン・レノンとリンゴ・スターが1940年生まれ、ポール・マッカートニーは1942年、ジョージ・ハリスンが1943年生まれだそうで、メンバー間の年齢差は3歳。
ローリング・ストーンズはミック・ジャガーとキース・リチャーズは1943年で同級生、チャーリー・ワッツが1941年、ロン・ウッドが1947年生まれ。このメンバーだと6歳差だけど、ここに1936年生まれのビル・ワイマンを加えると一気にメンバー間の年齢差は11歳となる。
SMAPでは、中居正広と木村拓哉が1972年生まれ、稲垣吾郎が1973年、草彅剛が1974年、香取慎吾が1977年生まれで5歳差。年齢差だけでいうとビートルズとローリング・ストーンズの中間くらい。
こう見ると、「年齢差のないグループやバンドはすぐ解散しちゃうけど、年齢差の大きいグループやバンドは解散しにくい」仮説は一考にあたいするように思われる。
本文中、人名は敬称略です。公人だし、「ロック歌手のミック・ジャガーさん」なんていう表記だとNHKニュースみたいだし。
「解散するグループ・バンドと解散しないグループ・バンドの違い」仮説の2は、「10代~20代前半でブレイクしたバンドはすぐ解散するが、30代近くまで売れなかったバンドは長続きする」というものだ。
これはその昔、週刊SPA!の連載で福田和也が言っていた。
バンドというものは若くして売れちゃうとすぐ「音楽性の違い」とかいって喧嘩別れするが、30近くまで苦労して売れると多少の意見の違いがあっても他のメンバーが気に喰わなくても「大好きな音楽でメシを食えるのもこのバンドがあるから」と割り切れてビジネス・ライクに続けることができるのだか。
福田和也はその文の中でB’zを例に出していた(読み直したいので、どの本に収載されているかご存じのかた、教えてください)。
SMAPもまた、若くしてブレイクしたグループの一つである。
このように、解散するグループやバンドと長続きするグループとバンドの違いは、
・メンバー間の年齢差が小さいか大きいか
・若くして売れたか30近くになって売れたか
である。もちろん二つとも仮説にすぎないが、なかなかに意味がありそうだ。
特に年齢差をあえて大きくするというのは長続きするチームを作る上で参考になりそうだが、残された検討課題は、同級生同士で結成されたTHE ALFEEの扱いをどうするかだけである。
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