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よそ者、若者、バカ者 プラス・ワン(R改)

「大事なのは、よそ者、若者、バカ者。それとエロ者やね」。Tさんは力強く宣言し、スダチ酎ハイをぐびりと飲んだかと思うと、深い眠りに落ちた。
地域活性化を語る飲み会での一幕である。

 

街起こしや地域活性化で重要なのはよそ者、若者、バカ者というのはよく知られたことである。-その土地ネイティブの人にとっては当たり前の隠れた魅力をよそ者が発掘し、若者がエネルギーを発揮し、バカ者が奇想天外なアイディアを発想する。
しかしながらエロ者というのは初耳であった。

 

確かにエロスのパワーというのは生命の根源である。
古来より祭りは男女の出会いの場であった。

その昔のお伊勢参りでも、参拝後の『精進落とし』を楽しみにしていた不心得者も少なくなかったであろう。せっかくはるばる精進しに来たのにすぐ「落とし」てしまうのもどうかと思うが。


トム・クルーズの映画『カクテル』でもバーを流行らせたかったらハンサムなバーテンダーを入れよ、そいつを目当てに街中の女性が集まる。そうすりゃほっておいてもさらに多くの男が集まる、みたいなセリフがあった。
カセットテープやビデオデッキ、インターネットなどの新しい技術も、急速な普及の裏にはエロがあったと聞く。

そんなことを話していたら、後輩のK君が言った。
「昔、スキーが爆発的に流行ったのもエロスの影響ですね」

確かに若い男女が「お泊り」する口実にスキーは最適。バブルのころよりもスキーの人気は減ってしまったようだが、経済的な問題以外にも、男女交際への寛容さと交通機関の発達によって日帰りスキーがメジャーになったことも影響するのだろうか。

私をスキーに連れてって』も過去の遺物と化した。うーん、興味深い。


そう考えると、交通の便が悪く「お泊り」せざるを得ない地域に、出かける口実を与えられるようなコンテンツを持ってくれば隠れたエロスのパワーによって地域おこしが可能になるわけだ。

瀬戸内海の直島が「現代アートの島」として大成功しているが、成功の秘訣はそこらへんにあるかもしれない。「現代アート見に行こうよ。遠いから泊りになるけど、そういうつもりじゃなくて」とか言って誘ってるのかなあ。いいなあ。

直島プロジェクトの偉い人は、「アートとは、男が女を口説くためのものである」とおっしゃっているそうです。

 

地域活性化のためによそ者、若者、馬鹿者とともにどうエロ者を活用するのか、そもそもそんなエロ者を大事な地域に野放しにしてよいのか、謎が謎を呼ぶばかりである。

 

それにしても単にエロというと下世話な話に聞こえるが、スを付けてエロスというと一気に高尚な話に聞こえるのはたいへん不思議なことだ。スという文字には語尾につけると文章を高尚にする魔力があるのかも知れないから、今度からやってみるっス。

 

皆様、よい週末を。
(FB2015年1月23日を加筆再掲)

 

↓エロスは出てこない。

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