2026-01-01から1年間の記事一覧

なぜ村上春樹は原稿用紙10枚で仕事を切り上げエミネムは定時で帰るのか。

村上春樹氏は長編小説を書く時、1日の執筆量を原稿用紙10枚と決め、調子が悪くても10枚は書くようにしているという(①)。そして調子が良い日もまた、原稿用紙10枚ほどで切り上げ、それ以上書き続けることはしないそうだ。 ラッパーのエミネムもまた、レコー…

【人はなぜ働き過ぎ、ツイ廃となり、そして肉を焼くか】

【人はなぜ働き過ぎ、ツイ廃となり、そして肉を焼くか】人はなぜ時に働き過ぎ、Twitterをやり過ぎ、そしてBBQで肉を焼くのか。そこに共通の行動原理はあるのだろうか。その答えは、「反響への欲求」だ、たぶん。 精神科医、神谷美恵子氏は、人間の心には「反…

朝のリレーなう。

ジョージアの議員が コーラの蓋を指で弾いて開けたとき メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている オハイオの父親が ほほえみながらバーベキューの肉を焼くとき トーキョーの漫画家は 米国の軍人がヤキニクをするマンガをアップする この地球では いつも…

AIと「ウザさの谷」。

AIにも「不気味の谷(uncanny valley)」現象が起こるのかを考えている。Wikipediaによれば、不気味の谷現象とはロボット工学者の森政弘氏が1970年に提唱した概念で、ロボットの姿形や動きなどが人間に似てくるにつれて好感や親近感は増加するが、ある一点を…

人生が迷いの連続ならば、大切なのは”良い迷い方”。

ある夜、友人Cが言った。「どうせ人生は死ぬまで悩んで迷うんだ。だからさ、どうせだったら“良い迷い方”をしたいよな」 “良い迷い方”か。それはいいな。ぼくは胡椒の効いた、外国のクラフトビールを頼んだ。バーのカウンターにはウフマヨとポテトフライが並…

絵文字考。

2026年3月末、XではAI自動翻訳機能が本格稼働した。その後ここ2週間ほど、毎日が発見の連続だ。数日前は絵文字の効用を体感した。 近代絵文字の発祥地の一つは日本だ。ケータイ文化や2ちゃんねるのアスキーアートの存在は欠かせない。絵文字はおそらく同時発…

「40歳を越えると狂う」のは、物語の喪失のせい。

インターネット、特にXで繰り返し語られる話題の一つに「40歳を越えると人は狂う」という話がある。本当かどうかは別として、もし本当ならなぜか。 40歳を越えると人が狂い始めるのは、物語を喪失するからだ。 アイヌの言葉に、「役目なしに天から降ろされ…

BBQから考える防御的グローバリゼーション。

1993年の夏、ウランバートルのバヤンゴルホテルのテレビではMTVが流れていて、そこではアメリカンポップソングで水着姿の女性達が踊っていた。 外国人向けのホテルだったけど、こういうのはモンゴル人の伝統的な価値観にどのような影響を与えるのだろうかと…

幸せと菜根譚。

かつて世界で一番幸福な国と言われたこともあるデンマークの、オーデンセの街角で老人はぼくにこんなことを言った。 「幸せというのはね。それだけでは成り立たないものなんだ。悲しみとか傷ついた気持ちとかそういったものと一緒でないと、幸福は存在できな…

ミッドライフクライシス対策は『花の慶次』

思春期、20代〜30代のクォーターライフクライシス、40代〜50代のミッドライフクライシス、60代以降の高齢者うつ。人生はまさに危機の連続である。古代中国にはこうした危機の連続の人生を言い表したことわざがある。師いわく、「私、人生の危機。こっちは気…

ちょんまげ健康法

「先生、認知症にちょんまげ(仮)が効くってほんと?」。テレビで健康番組が放送された翌日、必ずこんなことを患者さんから聞かれる。(注.2014年に書いた文です) 「昨日、芸人さんの番組でどこかの大学の教授が言っていたけど、ちょんまげ(仮)する…

死生観と現世。

生活が思考を作り、思考が生活を作る。たとえば死生観。 伊佐敷隆弘氏によれば、「人間は死んだらどうなるか」について、人類が出した答えは6つしかない。すなわち、 〈1 他の人間や動物に生まれ変わる2 別の世界で永遠に生き続ける3 すぐそばで子孫を見守る…

ポイントと残高。

Tポイントにdポイント、PontaポイントにJREポイント。 世の中にはポイントと名のつくものが無数にある。 率直に言ってそういうポイントを貯めるのは楽しいことだがあるとき怖くなった。 「今ここで自分が死んだら、貯まったポイントはどうなるのだろう?」 …

答えのない問いを持つ。

答えの出ない問いを持つ。そんなことを先日友人Oと話し合ってみた。 浮世を生きていると、答えをすぐ出さなきゃいけない問題が次から次へと襲い掛かってくる。昼ごはん何にしようかとか、発車間際の電車に飛び乗るか次のを待つかとかいったささいなことから…

SNS依存症から抜け出すには。

SNSというものは非常に中毒性が高く、相当に危険なものだ。 そんな危険なSNS依存を脱却するために有効な方法が一つある。 句集を読むのだ。 歌集や詩集、警句集でもよい。 SNS依存の理由の一つは活字中毒で、昔だったら食事中にジャムのビンを手に取り原材料…

趣味としての語学学習。

趣味としての語学学習、というものを考えている。 ここに1人の男がいるとする。 たとえば彼が、ギター教室に通うと言ったらどう思うか。 「へー、いいんじゃないの。楽しんでね」と言うんじゃないだろうか。 決して、「今からギター習ってもモノになんの?ギ…

ウルトラマラソン人生。

〈学生は 短距離走で ポスドクはマラソンだから 夜は帰るよ〉生化学者で歌人の永田紅氏の短歌だ(三枝昂之『百年の短歌』新潮選書 2025年 p.49) 維持可能、持続可能な働き方、生き方というものを考えている。なにしろ人生100年時代、100歳まで生きて「しま…

一次産業としての服、二次産業としての服。

「ヨーロッパの人にとって服っていうのは」ファッション業界に身を置いている友人Aが言った。 「ヨーロッパの人にとって服っていうのは、一次産業の産物みたいな感覚があるみたいなんだな。その土地で取れる素材を使ってできる産物というのが服、みたいな感…