2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧
NHKのニュースなどによると、来年春から東大でも推薦入試を行うという。ニュースによれば、<高校の調査書のほか語学力の証明書などで1次選考が行われたあと、面接などの2次選考を経て、大学入試センター試験の成績と合わせて合否が決められる>という(11…
「3時間待ちの3分診療」。昔から日本の病院を揶揄するのにつかわれる言葉だ。日本の医師は、3分診療でいいとは決して思っていない。 できることならお一人お一人の患者さんに十分時間をかけて丁寧に診察し、患者さんも医師側も満足できる診療をしたいと医…
「夜中に子どもが具合悪くなったときにさ、どうしていいかわからないからどうしようもなくて救急車呼んだんだよ。 病院に行ったら若い医者が出てきて診てくれたんだけど、『こんな軽症で救急車呼んじゃダメです』とか言うんだよ。 軽症で救急車呼んじゃダメ…
見知らぬタイ人ドクターに完全ノックアウトされたことがある。 先に言っておくが、「それ以来タイ人恐怖症」というオチの話ではない。 幸いにして今のところ、そんなベタなダジャレを言うほど落ちぶれてはいないのである。ほんとは言いたいけど。 今から十年…
「別のクリニックで検査を受けて脳腫瘍の疑いがあると言われて気になってるんですが…」。ある日、顔なじみの患者さんが唐突にそう切り出した。 「髪の毛の先を特殊な方法で分析して、脳腫瘍やうつ病、肝臓病や白血病なんかがないか全身の病気が全部わかるん…
「地域包括ケアシステム」についてつらつら思うところを書いた。その中で、義務教育との類比で地域医療を論じた。 国民に一定水準の教育を保障する義務教育があるように、国民に一定水準の医療も保障されるべきではないかという話だ。ナショナルミニマムとい…
「地域包括ケアシステム」と聞くたびに感じる喉に刺さったままの魚の小骨のような感じについてもう少し書く。 第二の小骨、「ベッドタウンどーすんの」問題について、ぼく自身がベッドタウンで育った人間「郊外の子」、言ってみれば「俺は郊外生まれベッドタ…
「地域包括ケアシステム」という言葉を聞くたびに、ぼくは喉に魚の小骨が二、三本刺さったような気持ちになる。 考えをまとめるために、つらつらと書いてみたい。 「地域包括ケアシステム」は、団塊の世代が75歳になる2025年を前に、自分たちの住む地…
尊敬するH先生の教えに、「物事は静止画で見るな、動画で見よ」という言葉がある。 時間軸に沿ってはいるが飛び飛びで恣意的に切り取られた事象だけ見ていると、真の因果関係を見失い、間違った結論を信じ込む羽目になりかねない。 例えばこんなふうに。 「…
「おい、コブラって何だ。俺知らないぞ」 唐突に響くN教授の声。 広がる当惑。 朝の7時、場所は外科の症例検討カンファレンス。 医学生時代の出来事。 カルテや患者さんのレントゲン写真を前に、ぼくら医学生より何年か先輩の新米ドクターが汗をかきかき教…
恥ずかしながら片づけが苦手である。立って半畳寝て一畳、風を友にし石を枕にする生き方に憧れるが、今流行りのミニマリストの足元にも及ばない。このままミニマリストに憧れてバラをくわえて踊っていても、いつまで経っても地下の酒場のカルメンと今夜メト…
良質の仕事の敵は3つの「I」だ。すなわちイデオロギーIdeology、無知Ignorance、惰性Inertiaである(参考文献:A・V・バナジー、E・デュフロ著『貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える』みすず書房2012年 p.35。原文は政策の失敗の理由に…
たかがスピーチ、されどスピーチ。 スピーチを頼まれて気が重くなり、ああでもないこうでもないといろいろ検索したり調べたり、スピーチ前日の深夜になってもなにも決まらないことがある。 しかし良いスピーチのコツはシンプルで、必要なのは3つのI(アイ)…