学生スポーツはなぜやるのかという話。

学生のスポーツってなんのためにやるんだろうかと考えたことがある。 スポーツというのはやっている限り必ず負ける。 さだまさし的な言い方をすれば、甲子園だって3000幾つの参加チームの中で一度も負けないですむのはただの一校だけだ。 そのほかのチー…

学校健診の話。

「ものごとは静止画で見るな、動画でみよ」 敬愛するH先生の教えだ。 2024年5月末現在のここ数日、タイムラインは学校健診の話題でもちきりだ。 婉曲にいえば男性医師が女子生徒の診察をする際に脱衣させるのはいかがなものか、というのが論点だと思う。 さ…

完結医療。終末医療ではなく。

終末期医療について考えていたらこんな言葉を掘り起こした。 〈老いて、死んでいく。医者には何の手だてもありません。医学の遅れとか医療技術の未発達とは、これはまったく別の問題です。 言い換えれば、生き抜いたということじゃないか。治す、治るの問題…

リアリティショウ。

昔見たリアリティショー。誰か動画持ってませんか? 英ヴァージングループの後継者を探すという企画で、(多分だけど)世界中から我こそは、っていう若者を集めるんですよね。 それで総帥リチャード・ブランソンにみんなで面会するぞって言って、空港に迎え…

手土産は老舗で。

「雑誌の取材で地方に行くときにはね、手土産は東京の老舗のものがいい。 “お宝発見”みたいな企画で、地方の名家とか名士さんとかのところに行って、蔵の奥に眠ってる“お宝”を撮影させてもらったりするんだよ。うまいこと機嫌取って写真撮らせてもらわなきゃ…

究極の有限資源は、時間と意志力。

時間と意志力を死守せよ。なぜならそれらは究極の有限資源だから。 現代人が一歩外に出れば、無数の人やモノやコトがあなたの時間と意志力を奪いにくる。家庭を持つ者であれば、家の中でも同様だ。古人曰く、〈三十歳を過ぎれば、君の生活は妻子のものになる…

仕事で肝要なのは「巻き込む」力。

「まず調査して、その地域の特色となる食材を見つけます。そして、地域のいろいろなお店にその食材を活かした料理を考案してもらう。 それでここからが重要なんだけど、必ず試食会をやるんですね。 地域のおばさまやお母さんたちなんかを招いてそれぞれの料…

「つかんではなしてギュッと締める」の話。

『インベスターZ』という漫画の1シーン、「つまらん映画は冒頭で出て損切り」の話がTwitterで話題だ。 創作論の専門家でもないし成功の方程式は無数にあるのが前提。 映画とネット動画、あるいは講演会と文章の違いは何か。強制性だ。 映画や講演会では、基…

積み上げてゆくこと。

多くの政治家は、一番最初はたった1人で駅前や街角に立ち、誰も聞いていなくても演説を始める。 作家や評論家だって、一冊一冊、自分で自分の本を売る“手売り”から始める人もいる。 綾小路きみまろだって、自分の漫談を吹き込んだテープを持って高速道路のパ…

「欲望の枯渇」問題。

「ほしいものが、ほしいわ。」 糸井重里氏の名コピーである。 「欲望の枯渇」。 ここ数年のテーマだ。 加齢に伴い(現実を直視するのは大事だ)、欲しいものは無くなり、やりたいことも無くなった。食べたいものも飲みたいものも無くなり、ただただスマホの…

花見の意味。

今年になってようやく花見の意味がわかった。何十年も、「花など眺めて何になる。どうせ皆花など見てはいない」と思ってきた。 コロナ禍と加齢を経て唐突に花見の意味がわかった。あれは「桜浴(さくらよく)」「生命浴(せいめいよく)」なのだ。 暗くて寒…

SNSは承認欲求を肥大させ、そして同時に承認欲求をやせ細らせる。

SNSは承認欲求を肥大させ、そして同時に承認欲求をやせ細らせる。 SNSが承認欲求を肥大化させる問題は、しばしば指摘されてきた。 SNSでの承認が欲しいばかりに人はバイト先でアイスケースに横たわって写真をアップしたり飲食店での問題行動を動画に上げたり…

『納税Pay導入』のエイプリールフールネタに思う。

早朝から大炎上している例のサイトを見てきた。 「納税Pay導入のお知らせ」という歳入省のエイプリル・フールネタのことだ。 確かにあれはやり過ぎだと思う。 炎上でサーバーが落ちたりしてるといけないので簡単に説明する。 歳入省のサイトに飛ぶといきなり…

謎言葉。

よくよく考えるとよくわからなくなってる言葉というのがある。 「写真はイメージです」という注意書きとか。 今日も施設を退所した患者さんのカルテに「ホームから帰宅」「今後ショートステイをロングで利用。ロング・ショート」と書きながら、「オレはいっ…

通訳と医者は似ている。

通訳と医者は似ている。 とめどなく与えられる日常言語ベースの情報の山から本質的な情報をピックアップし、他国語や医学用語に変換する。 ギリシア語で通訳は「hermenuties」というそうで、これは神々と人間との交信、いわば神々言語と人間言語の通訳を担っ…

通勤電車。

『通勤電車で座るための戦略とアクションプラン』みたいな宣伝広告を興味深く読んでいたら最終結論に「もっとも大事なのは一日でも早く通勤電車に乗らなくて済むような生活を手に入れること。そのためにも、資産運用は当銀行にお任せください」って書いてな…

プロの賭け事師の心境はいかに。

賭け事のことはコンチネンタルの単チェリーくらいしか知らないが(ミリオンゴッドまで行けなかった)、プロのギャンブラーみたいな人の心境には興味がある。 我々素人からすると、森巣博氏の書くような「鯨」級のハイ・ローラーというのは強運の持ち主で酒も…

「コスパが悪いから社内の飲み会には行かない」という言説に思う。

付き合い酒・接待酒ほどマズいものはない。 だが一方で、“営業”無しに仕事を得られる人は少ない。 「コスパが悪いから会社の飲み会いくな」という話がXa.k.a.Twitterで話題だ。 気持ちはわかるが、これは行き過ぎると「会社を辞めてブログで稼ごう」的な、若…

「ふるさと納税」とインバウンド政策が首長にもたらすポジティブな心理効果について。

ふるさと納税やインバウンド政策について考えた。万物と同じく功罪両方あるだろうが、プラスの面、特に心理的なプラスの面についてだ。 山口県柳井市の元市長の河内山哲朗氏がこんなことを述べている。 〈日本の地方行政は(場合によっては国政もそうですが…

「カタ」と自由意志。

2023年8月6日放送の『桂文珍の演芸図鑑』で狂言師の野村萬斎氏が面白いことを言っていた。うろ覚えなので間違えていたら直します。 「以前から全国の学校で教室をやっております。 きっかけですか? …ひところ、学校で『キレる』子どもというのが話題になり…

【覚書】マンガ編集者の話。

覚え書き。 マンガ編集者の話。 たぶん1980年代後半、朝日新聞夕刊の文化欄の論評でこんなことが書いてあった(と思う)。 日本のマンガは子ども向けだけではなく文学や政治経済、思想、文化などありとあらゆるテーマを幅広く扱うようになった。その背景の一…

鳥山明先生の訃報に思う。

景山民夫氏のエッセイに『アディオス・パンテラ・ロッソ』という作品がある(『普通の生活』角川文庫収載)。 景山氏がテレビの撮影か何かでスペインの田舎村に滞在している。 小さな村ではやることもなく、言葉も通じない。 村のレストランに入る。同じくや…

NASAで教えるのはリーダーシップではなくフォロワーシップ、というお話と先輩後輩システム。

(Twitterに上げたものを備忘録としてアーカイブ化しときます) ・「NASAではどんなリーダーシッププログラムをやってるんですか」と宇宙飛行士の人に質問したら、「リーダーシップはあんまり教えないですね。むしろフォロワーシッププログラム。宇宙飛行士…

『流暢性の錯覚(幻想)』と『望ましい困難』 

結論は「自動翻訳でもなんでも便利に使ってじゃんじゃん情報を浴びるべきやろ」なんですが、「個人的に」医学論文は原文のまま読んだほうがよいと思うところがある。その理由をずっと考えていた。 あくまで個人的な感情論で、他人に押し付けるつもりはまった…

「定年延長の流れでぼくら歴史学やってる者が危惧していることがあって」 ある時、近現代史学者のK先生が言った。

「定年延長の流れでぼくら歴史学やってる者が危惧していることがあって」 ある時、近現代史学者のK先生が言った。 「それは郷土史家がいなくなることなんですね。 今までは、いろんな地方で仕事を引退した公務員のかたとか地域の人とかアマチュアの歴史家が…

サンクコストと即断即決。

とある往診サービスが撤退を発表した。診療報酬が下げられると判明した途端の、即断即決である。 道義的にどうかと思うが、純粋に経営的な視点だけからみれば、儲からなそうな分野から撤退するというのは仕方のないことかもしれない。 邪推だが、こうした即…

「友だちはそんなに必要ないけれど、仲間はそこそこいたほうがよい」 という話。

「友だちはそんなに必要ないけれど、仲間はそこそこいたほうがよい」 そんな話を、吉本ばなな氏の『吉本ばななが友だちの悩みについて答える』(2021年 朝日文庫 p.22)で読んだ(もとは雀鬼・桜井章一氏の言葉らしい。原著をご存知のかたは教えてください)…

雀鬼いわく、「いい手はつくるのではなく生まれる」。

〈「つくる」のではなく、「生む」という感覚を持つ〉 雀鬼・桜井章一氏の言葉だ。 〈麻雀は「いい手」をつくろうと頑張るほど、うまくいかなくなるものだ。私が勝負に際して常に大切にしているものは、「つくろう」とするのではなく「生む」感覚だ。〉 (『…

SNSのコツは「ポジティブなことはピンポイントで、ネガティブなことはふわっと書く」

警官とさよならを言う方法はまだ発明されていないしSNSとうまく付き合う方法もまだ人類は見つけていないが、もしかしたら「ポジティブなことはピンポイントで、ネガティブなことはふわっと」書くのがコツなのではと思い始めた。 「生きとし生けるもの全てに…

原作と実写の幸せな出会いと別れ~『納棺夫日記』と『おくりびと』

「富山のね、指定されたお店に少し遅れて行ってね、お店の人に案内された部屋のふすまを開けたら、畳の上にスッと背筋を伸ばした青年が正座していた。 青年は深々とお辞儀をすると『先生、お忙しい中おいでいただきまして、ありがとうございます』と言った。…