2024年末から2025年年始にかけて、「年賀状じまい」という言葉をずいぶん聞いた。毎年年賀状を出していたが、今年を限りにおしまいとさせていただく、みたいな意味だと思う。 昔と比べて年末ぎりぎりまで仕事もあるし、メールやSNSでふだんからなんとなくつ…
結論は俳句。目的はカラーバスである。順を追って説明する。 感性は磨耗し野性は枯渇して数世紀が経った。残されたのは惰性のみ。このまま惰性を抱えてこれから先さらに数世紀生きていくことになるのだろうかと年末に考えた。そして至った結論が俳句である。…
【ツイートの寄せ集めです。備忘録として】 ・90年代はテレビや雑誌とかのメジャー系大資本の力が強くて、レコード会社が「このバンド推して」といえばそればかりかかる(イメージ)。そこのカウンターとしてアメリカとかではカレッジラジオ、カレッジチャー…
常々不思議なのは人口比で考えた時にもっと東京圏からミュージシャンがたくさん生まれてきてもいいのではないかということだ。 北海道からはGLAY、群馬からはBOOWYやBUCK-TICK、千葉からはX、神奈川からはSuchmos、岡山からは稲葉に甲本ヒロトに藤井風、徳島…
なにごとも、原著にあたることは重要である。名言格言ネットミーム、みなが口々に引用するものの中には、もともとは違う意味で使われていたり、偉人の名言とされているものでも実はその偉人が言っていなかったりすることがある。後者の代表例としてヴォルテ…
自分が生きているうちにこんな日が来るとは思わなかった。CDを「過去」として語る日だ。 CDはいつだって「未来」だった。まだ見ぬ世界、より広くより深い、より自由でよりカラフルな世界に連れて行ってくれるのが1枚のCDだったのだ。 サブスクや動画サイトは…
昔みかけた、「ネットの発展により世界中の観光名所の写真や動画を自宅にいながらにして高画質で見られるようになった。これによってみんな満足するかと思ったら事実は逆で、ネットで見た観光名所に実際に行ってみたいと思うようになり観光が盛んになった」…
『ダンダダン』を観ながら考えた。怪異やもののけ、幽霊やオバケの類が人間に由来するものならば、なぜ人口比に合わせてそうしたものが出現しないのだろうか。 霊感なんてものは持ち合わせていないが、あの手の話は必ずひとけの少ない町や廃墟、廃病院が舞台…
「医者の人生はね、最初の10年は『学ぶ』、次の10年は『働く』、その次の10年は『育てる』だよ。 一人前の医者になるには10年くらいかかる。だから最初の10年は『学ぶ』必要がある。そして、一人前の医者になったら、ソルジャー、1人の戦士として『働く』。…
「それって、夢は何かってことですよね?」K先生が言った。「…セスナの免許取るってどうですか?」 会話や対話は楽しい。自分では絶対に出てこない発想がポンポン飛び出してくる。 「予定外に急に、2、3時間ヒマな時間ができたら何してます?」ここのところ…
財政規律を至上命題とする「ザイム真理教」なるものはおそらくあるのだろう。「実はプライマリー・バランスがゼロになりそうだった年があったんですよね。でもその年、アメリカ発の世界的金融危機が起きた。年末に、連日連夜さっむい役所でコート被ってガタ…
ネットをみていて「若い人と話した。彼ら彼女らの世代には長生きしたくないという願望がある」みたいなポストが流れてきた。 ショッキングに見えるかもしれないが、The Whoも「老いぼれる前に死にたい」って歌ってるし(『My Generation』)、吉田兼好も「長…
「え“え“え“!」 度肝を抜かれる、天地がひっくりかえるというのはこういうことを言うのだろう。何歳になっても死ぬほど驚くことはある。 いまだにショックから立ち直れない。 ウズベク料理をつつきながらTさんから教えていただいた秘密で、世界の見方が激変…
Mさんの話とコロンビア好きのAさんの話をお蔵出し。 「大事なのは自分の人生に恋をすることなんだよ」 笑顔でトレードマークの口ヒゲをくしゃくしゃにしながら、Mさんが言う。 「自分の人生さえ愛せない奴が、他の人のことなんか幸せに出来るわけがない、 な…
昔の酒場にはいろんな人がいた。 以前、想像を絶する人と出会ったことがある。 そのおじさんは、京都大学理学部物理学科卒業で、パリ大学の元教授、若いころはマイルス・デイビスとジャムをしたことまでがあるという。 当然、英語もフランス語もぺらぺらだと…
インターネットには世界中の情報が溢れているが、それでも現地の情報にはかなわない。 そうした現地情報を入手するウラの方法を、大前研一氏が書いている。 大前研一氏は、講演などで新しい土地に行くときにはまずはじめに現地の不動産屋に立ち寄るという。…
「…おお……枯葉舞う秋の日差しの中…一人の少女が花束を手に歩いてゆく…友人の家を訪ねてゆくのだろうか…落ち葉を踏みしめて歩く少女…これは、その少女の靴底についた腐葉土の匂い…これがテロワール…」 「さすが名ソムリエ。合格じゃ」 ワインの評価というのは…
人は人にアドバイスする。 善意からも、悪意からも。 〈この世で、病人に浴びせかけられる忠告ほど、虚ろで空しいものはない。それに答えて病人が何を言っても無駄なのである。というのは、これら忠告者たちの望むところは、病人の状態について本当のところ…
ビッグ・マウンテンにインナー・サークル、UB40。タップしたスマホから、90年代が流れる。ブルートゥースでカーステレオへ飛ばす。 動画の森で出会った90年代UKラヴァーズ・ロックが車の中を満たす。 サード・ワールド、シャギー。 どこらへんまでUKラヴァー…
衰退する社会には「虚無」の影が忍び寄る。 欧州社会が取り憑かれている「虚無」とどう対峙するかが、ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』のテーマだった。 衰退する個人にもまた、虚無は忍び寄る。 人生後半戦は、虚無との闘いだ。 では果たして、衰退す…
人生ゲームは過酷だ。 多くの人の人生ゲームは、前半と後半でガラッとルールが変わる。予告されることもなく。 人生の前半と後半は、ルールが全く違う。アメフトと編み物くらい違う。 ある種の人々は、人生の前半では「特別」であることを求め、あるいは求め…
半可通ほどみっともないものはない。だがまあ、ドヤ顔して人に押し付けなければ罪も軽いだろう。 この夏発見したライフハックに、「平日昼間、一番はじめから寄席に行く」というものがある。これはいい。 何がいいかというと、“自由”。 なんとかホールとかで…
「ほかの家族に聞かせたいんで、診察の時に録音させてください」と言われることがある。 基本的には了承しているが、これだけAIとかで音声編集とかできるようになると録音データをもとに暴言だろうが虚偽の説明だろうが偽造できてしまうだろうから、これから…
非常に興味深い話を聞きかじった。 学校の「国語」という教科は、「あなたが何を感じるかどう感じるか」ではなく「他人が何を感じるかどう感じるか」を問う教科だ、という見方だ。 それが正しいか否かの判断はお任せする。 ここでの「他人」というのは「世間…
ネットを見ていると定期的に経営者とは、みたいな話題が出る。 確かに「雇われ」と「オーナー経営者」では見えているものが全然違う。社会の解像度が段違い。裸眼のケント・デリカットとサンコンさんくらい見えるものが違いすぎる。 特に駆け出しの時が顕著…
昨日N君とした話。 なんつーかさ、ええ歳になると痛感するんすよ、能力1割・環境9割って。 すっごい頭よくて出来る人とかでも、家族の事情とか本人の病気とかそういう環境の要素のために100%能力を発揮しきれないまま沈んでいく人がたくさんいる。本人はさ、…
長く読みつがれる名作というのは、しばしば多面的なのだろう。 名作は、読む人の立場や人生のステージによってそれぞれ違う顔を見せてくれる。 山崎豊子『白い巨塔』を学生の時に読んだ際には、単純に財前先生=悪い医者、里見先生=素晴らしい医者と読んだ…
北海道新幹線に飛び乗ってまず考えた。 なぜトッポとじゃがりことワッフルなのか。 トッポとじゃがりことワッフルに恨みはない。うまい食べ物だと思う。 だが数あるお菓子などの中で、売り上げナンバーワンではないのではないか。にもかかわらず長年、新幹線…
仕事や勉強で一番めんどくさいのはいつか。間違いなく取りかかる時、そして再開する時である。 「君らね、勉強するとき“キリのいいとこ”までやるでしょ。あれ間違いなんだ。 勉強してたら、わざと“キリの悪いとこ ”でやめるの。 “キリのいいとこ”まで勉強し…
2024年の都知事選挙では、女性のほぼ全裸のポスターが貼られるという珍事があった。 結局都知事選の全裸ポスターは剥がされることになったようだけど、選挙で元力士の人が立候補して「どすこい!国政に張り手!」とか、とにかく明るい安村氏が「安心してくだ…