人生は短く、同時に長い。ハッと気がつくと10年なんてあっという間に経っていて、しかしこの先まだまだ生きなければならなかったりする。 古代ローマでは「Carpe diem.今日という日の花を摘め」なんていって、人間は一日一日を精一杯生きるしかないと教えた…
人生指南本を読むとよく「会いたい人にはすぐ会いにゆけ」みたいに書いてある。もっともだと思いながら、なんとなく違和感があった。なんというか、“粋”ではないのだ。 会いに来られる相手はこちらにそんなに会いたくないかもしれない。そうした相手の気持ち…
「マルハラ」と呼ばれるものがあるというどこまで鵜呑みにしてよいかわからないが、若者の中には年配者とのLINEチャットで、文末に句読点の「。」(マル)が付けられていることにハラスメントを感じる者がいるのだそうだ文末に「。」(マル)が付けられてい…
ここ10年を振り返って我ながらだいぶ出来るようになったことの一つが「時間の手綱を手離さない」ということだ。10年ほど前に手にした人生指南本は口々に、時間管理の大切さを説いていた。放っておくと自分の時間は、よってたかっていろんなことやいろんな人…
人と会うと疲れるという話の続き。 人間は、誰かと会うと無意識のうちに相手の、正確にはお互いの領域を侵犯しようとする。会話することによって相手の、正確にはお互いの考えや行動を変えようとする。人と会うことは、そうした「暴力性」を含有する行為であ…
〈「(略)田舎に引っ込んで大根とか急に作り出す人よくいるよね、最近、多いよね、あれスタミナ切れなのよ、そいであきらめちゃった人なの、他人と出会うの体力要るからね、けっこう疲れるし、でもね、他人と出会えないってのは死人と同じだと、ぼくは思う…
「今を生きる」。 つまるところ、そういうことなんだろう。 人並みに悩みもあり、より良く生きるヒントを求めて古典を読んだりもしている。 古今東西の賢人たちが口をそろえて言うのは、「今を生きよ」ということだ。 整理のために言葉を拾ってみる。 〈われ…
たしか今51歳なんですけど、備忘録的に今の心持ちを徒然に。諸先輩方におかれましては「オレの50代はこうだったよ」「これからこんなことが起こるぜ」などなどアドバイスいただければ幸いです。オチはありません。 まず第一に、40歳前後と比べて50歳前後が比…
〈人間がほんとに悪くなると、人を傷つけて喜ぶこと以外に興味を持たなくなる。〉(ゲーテの言葉。高橋健二編訳『ゲーテ格言集』新潮文庫昭和二十七年p.26) 清濁渦巻くネットの世界を見ていると、誹謗中傷罵詈雑言disりにマウントこき下ろしをよく見かける…
いわゆる“脳科学”に対し、嫌悪感と警戒感、危惧を持っている。正直言って現在テレビや何かに出てくる“脳科学”の大半はエセ科学以外の何物でもないと思っている。 総胆管末端筋の研究で学位を取ったという春山茂雄氏の『脳内革命』(1995年)以来、いわゆる“…
いわゆる“脳科学”、「最新の脳科学によれば人間とはこうだ」みたいなエセ科学のブームについて嫌悪感と警戒感を抱いている。嫌悪感と警戒感の理由については前述の通り。 さて、いわゆる“脳科学”の多くは、ごく限られた条件下の限定的な科学的発見を、恣意的…
いわゆる“脳科学”、「最新の脳科学によれば人間とはこうだ」みたいなエセ科学のブームについて、嫌悪感と強い危惧を抱いている。 嫌悪感の理由を述べる。科学とは健全な懐疑主義に基づき、観察と記録により仮説を打ち立てそれをほかの研究者とともに検証を重…
「リベラルアーツ」とか「幅広い教養」とかの大事さをやたらと強調してくる人がいるけど、その中には自分の専門性が無い人がいる。そういう人は何か専門的な分野そのもので戦うと負けちゃうから、バトルフィールドを無限に広くして、哲学者には「最新の脳科…
予防接種を。それが医療費を抑制する。感染対策を。それが医療費を抑制する。子どもにも大人にも栄養のある食事と十分な睡眠と適度な運動を。それが医療費を抑制する。禁煙や節酒を。それが医療費を抑制する。血圧やコレステロールや血糖のコントロールを。…
近代科学と啓蒙思想を生んだイギリスでは、科学者が子ども達に直接学びを伝える伝統がある。最も有名なのは「クリスマス・レクチャー/Christmas Lectures」である。中でも1860年にマイケル・ファラデーが英国王立研究所で行った講義は名高く、『ロウソクの…
ある時、神が人間に命令を伝えるためにカメレオンを呼んだ。神はカメレオンにこんな伝言を託した。「人間どもよ、死ぬな」この命令が伝われば、人間は不死となる。 カメレオンが人間界に向かってのこのこと歩いているうちに、神の気が変わった。神はトカゲを…
〈会えばわかるとか、会うといい人だからとか、ネットで険悪になった人たちに対して言う人がいるのが昔から不気味でそれは要するに、会うこと、親しくなることで物事が解決するのではなくて、酒やタバコと同じようで嗜好品であるから、親しくなるというのは…
ネット上の議論では、広義のWhataboutismとでも言おうか、「じゃあ◯◯はどうなんだ」とか「でも××ということもありますよね」とかいう批判は無数に出てくる。自説の無謬性を証明しようとしてそうした広義のWhataboutismに逐一反論したりすると次第に無理が出…
もしも願いが叶うなら、「人好きのするジジイ」になってみたい。普通に考えて、嫌われるより好かれるほうが人生の最終章としてふさわしいだろう。 外来診療やっていると、時々「この人若い頃モテただろうなー」と感じさせるナイスシニアに出会う。妙に人懐こ…
「イタリアではね、トラブルに遭ったときに怒っても誰も気にしてくれません。怒ってるなあでおしまい。だからトラブルに遭ったときはね、思いっきり困ってみせるんです。困った困ったどうしようってね」イタリアに長く住んでいたというその人が、カウンター…
あまり意識されていないことだけど、幸せには外部要因と内部要因がある。外部要因には富や名誉や地位なんかがあって、それらを子供たちが獲得できるように親たちはしゃかりきになるけれど、もしかしたらそれ以上に大事なのが内部要因だ。 内部要因は言い換え…
何畳敷かは覚えていないが、その部屋には大変立派な額が飾ってあって、その中には堂々たる筆致でこう書かれていた。『今川焼』。なぜだか『今』の字だけは鏡文字で、ああいうのはやはり噺家の諧謔、シャレなのだろう。 落語家になんちゃって弟子入りしたこと…
医療機関は冬の時代だ。厳冬。厳冬をなんとか生き延びるのに必要なのは、扇子しかない。 帝国データバンクによれば、2024年に倒産した医療機関は64件、休廃業・解散は722件で、帝国データバンクの言葉を借りれば「市場から消えた」医療機関は786件で、過去最…
不易と流行の不易に触れたくて、細々と古典を読んでいる。原著で読めるほどの力は無いから邦訳や解説書を読むのだが、多くの古典の名著の母国語訳が千円から数千円で手に入る出版大国・日本には心から感謝である。 わからぬながらも古典を読んでいると、数千…
およそ世の中のモノには良い面悪い面両面あって、一見悪いことのように見えても別の面から見るとポジティブな働きをしていることもある。 「怒り」などはその代表で、怒ってる人を見るとまわりはおっかないけれど、悪や不正に対する「怒り」もある。そうした…
伝えるとか教育とかそんなことについて考えている。 和辻哲郎が「人類の教師」と呼んだ人の1人、ソクラテス(Socrates)は古代のアテナイを歩き回り、市民の誰かれを捕まえては対話した。 「無知の知」を説いたソクラテスのことだから、上から目線で「教育」…
2024年末から2025年年始にかけて、「年賀状じまい」という言葉をずいぶん聞いた。毎年年賀状を出していたが、今年を限りにおしまいとさせていただく、みたいな意味だと思う。 昔と比べて年末ぎりぎりまで仕事もあるし、メールやSNSでふだんからなんとなくつ…
結論は俳句。目的はカラーバスである。順を追って説明する。 感性は磨耗し野性は枯渇して数世紀が経った。残されたのは惰性のみ。このまま惰性を抱えてこれから先さらに数世紀生きていくことになるのだろうかと年末に考えた。そして至った結論が俳句である。…
【ツイートの寄せ集めです。備忘録として】 ・90年代はテレビや雑誌とかのメジャー系大資本の力が強くて、レコード会社が「このバンド推して」といえばそればかりかかる(イメージ)。そこのカウンターとしてアメリカとかではカレッジラジオ、カレッジチャー…
常々不思議なのは人口比で考えた時にもっと東京圏からミュージシャンがたくさん生まれてきてもいいのではないかということだ。 北海道からはGLAY、群馬からはBOOWYやBUCK-TICK、千葉からはX、神奈川からはSuchmos、岡山からは稲葉に甲本ヒロトに藤井風、徳島…