2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

拝啓 糸井重里様。ぼくは感動ポルノのコンテンツとして消費されることを拒否する。

糸井重里様。 昨日見たツイートが頭から離れず、夜中に目が冴えてしまってこれを書いています。 糸井重里は、スポーツが観られないから「ナマモノの感動が味わいたい」として、最前線で頑張ってる現場(医療、保育、インフラ)をテレビで取材せよと言ってて心…

「いま頑張らなくていつ頑張るんだ」。友人Yが書いた。

「コロナで大変だけど頑張るよ。いま頑張らなくていつ頑張るんだって感じだね」友人の外科医Yがそんなことを書いた。Yは院長として、地域のコロナ診療、感染対策の陣頭指揮を執っている。 医者人生を送っていると、不意打ちのようにこんな名言に出会う。「い…

コロナ疲れのしのぎかた2~コウスティング、健全な退行

先が見えない時には後ろを見ればよい。 この3ヶ月でどれだけ「コロナ」という単語を口にしたかわからない。「コロナ」という単語を商標登録して誰かが口にするたび課金すれば今ごろは相当な資産家だったが世の中ままならぬ。 コロナ禍の中、ぶっちゃけ生きて…

コロナ疲れのしのぎ方~マイ・フェイバリット・シングス

〈薔薇の上の雨粒子猫のヒゲキラキラした銅のケトルにふんわりしたミトンリボンのかかったブラウンの小包それが私のお気に入り〉(『My favorite things』。意訳) 犬に噛まれたりハチにさされたりして気分が沈んだときは自分のお気に入りのことを考えるとよ…

「pre-mortem/事前検死」とは~その場しのぎの仕事のしかたからどう脱却するか.3

〈愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る。〉(『ナポレオン言業録』岩波文庫 1983年 p.263) 予想外の未来に運命を狂わされるくらいなら、自ら選んでひととき狂人となり未来を語っておく手もある。 「何かあったら困るからとりあえず人手を確保して…

備えよ常に~その場しのぎの仕事のしかたからどう脱却するか2.

〈日本人は土壇場に強いんじゃありません。気がつくと土壇場になってるんです。〉とあるTwitterの賢人が言った(①)。 「何があったときのため人手を集めておいて、何かあったらその時はその場にいる人のその場の判断でなんとかする」という仕事のやり方は非…

その場しのぎの仕事のしかたからどう脱却するか。

「何かあったら困るから、とりあえず人を確保しておく。実際に何かあったら、その場にいる人がその場の判断でなんとかする」というのは、非常に日本的な仕事のやり方であるなあということを昨日書いた。 この文脈での日本的、というのは批判的な意味で使って…

2000年問題と日本的な仕事のやりかたについて。

誰にでも何にでも、原体験はある。僕にとって日本の仕事のやり方の原体験は、とある大晦日の大学病院だった。 1999年12月31日。研修医だった僕らに指示が下った。「何かあったらいけないから、当科の研修医は今日は全員、病院に泊まり込むように」それぞれの…

イタリアでは、新型コロナウイルスによる死者は2万人を越えたという。

通勤電車の中で、唐突に筒井康隆の短編を思い出す。毎日戦場に電車通勤するサラリーマン兵士の話。戦争という非日常と、電車通勤や満員電車やサラリーマンという日常の取り合わせが妙な味わいの話だった。あのサラリーマン兵士氏も、戦場から帰宅したら子ど…

板越ジョージ氏に学ぶ、コロナ禍時代のしのぎ方~「うまくいかないときは、知識、健康、人脈づくり」

「すべてがうまくいかないとき、やるべきことは3つ。知識、健康、人脈をつくる、です」 ジャニーズ事務所出身で、今はニューヨークで経営者をしているという板越ジョージ氏が以前にインタビューで語っていた。https://news.yahoo.co.jp/byl…/satoutomoko/201…

中條医院では新型コロナ感染は発生していません~風評被害の話。

中條医院に風評被害が発生しました。 「院長がコロナになったらしい」などと事実無根のデマを地域で吹聴している人がいるので、信用毀損罪として地元の船橋東署に相談しています。現在、調査していただいているところです。 事実無根のデマは社会の治安を乱…

「緊急事態宣言」はコロナウイルスを瞬殺できる必殺技でもなんでもない

「緊急事態宣言」はコロナウイルスを瞬殺できる必殺技でもなんでもない。宣言が出た瞬間に感染者が激減するわけでもなく、宣言が出てから1〜2週間くらいでやっと成果が出始める。宣言出た瞬間に感染者が激減したらどんなによいか。 緊急事態宣言が出ても出な…

まずは本業をがんばる、ということ。

「まずは、本業をがんばる、やね」Tさんが言った。Tさんは外科医で、掛け値なしに日本のトップクラスの一人だ。ぼくも運営に関わっているとある法人の創始者で、法人の活動方針を話しあっていたときのことだった。 本業のかたわら何か新しい活動を始めると、…

プールサイダーとのつきあいかた。

自分では泳がないのにプールサイドからああだこうだとアドバイスを飛ばす人を山本七平は「プールサイダー」と呼んだ。浮世を泳げば、前後左右上下にななめ上のあちこちから玉石混交さまざまなアドバイスが飛んでくる。プールのなかのわれわれは、果たしてそ…

とりとめもないひとりごとなど。

ひとり身で仕事上の責任も無ければ1か月くらい家に閉じこもってYoutubeみたり『ロッキー』や『スターウォーズ』なんかをアマゾンプライムでみてじっとしていたいけど、家族もいるし仕事上の責任もあるし、しかたないからマスクして満員電車をできるだけ避け…

新型コロナ流行により、じわじわくるタイプの医療崩壊は始まっているということ。

社会不安をあおることはあんまり言いたくないけど、「医療崩壊」ってドカンと突然くるパターンじゃなくて、じわじわとくるパターンもあるんです。 今、どこの病院も予定手術は延期、予定検査も延期、できるだけ受診しないでって言っているということは、後者…

医者ができることとできないこと。

「タカハシさんぼくね、花屋とかいいなって思うんすよ」呼吸器内科のY君が言った。今からずいぶん前、新型のウイルスが出現して世界の有り様を完全に変えてしまう前のことだ。 「ぼくら医者の仕事って、マイナスをいかにゼロに戻せるかって話じゃないすか。…