2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

斎藤幸平『人新世の「資本論」』をあえて批判的に読む(3)-「みんな」でやらねば意味がないが、「みんな」でやるとうまくいかない

『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著)をあえて批判的に読むという試みをしている。 同書では地球温暖化という人類の危機に対する処方箋として、「潤沢なコミュニズム」を掲げている。 同書の掲げる「潤沢なコミュニズム」による地球温暖化阻止の高きハード…

斎藤幸平『人新世の「資本論」』をあえて批判的に読む(2)-「潤沢なコミュニズム」が実現可能ならば、なぜまだ実現していないのか。

いま話題の書『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著 集英社新書)をあえて批判的に読むという試みをしている。なにもクリスマスにそんな無粋なことをしなくてもよいとは思うが、なにしろ宗教は阿片だからこれでいいのだ。よーしパパ、革命的情熱を持って論じち…

斎藤幸平『人新世の「資本論」』をあえて批判的に読む(1)ー脱成長・定常社会で若者は幸せに暮らせるだろうか

一生に1回は観るべきだが、2回観るのはしんどいという映画がある。『楢山節考』もその一つだ。Kさん、勧めていただきありがとうございました。 話題の書『人新世の「資本論」』(斎藤幸平 集英社新書)を読んでから、『楢山節考』が頭の中でリフレインされ…

とある街場の感染対策ーコロナ禍の日曜診療

12月13日(日曜)は中條医院で日曜診療を行いました。 日記風にお送りします。 【朝7時30分】 本日は日曜診療の当番日なので自分にログインボーナスを。 うちのクリニックのある船橋市では、医師会所属の医療機関に医師会本部での夜間診療当番とはまた別…

フィジカル&マテリアル雑考。

「フィジカル」と「マテリアル」ということについて考えている。答えはまだない。 『鬼滅の刃』の最終巻、紙の本がものすごく売れている。これだけオンライン化、デジタル化が進む中でこれはどういうことだろうか。一説には家族で回し読みするために紙の本を…

コロナ禍と山本七平『日本はなぜ敗れるのかー敗因21ヶ条』

敗れた事実は変わらない。 問題なのは、敗れたあとに学ばないことである。 コロナのはじめのころ、本間 正人先生から一冊の本を勧められた。 山本七平著『日本はなぜ敗れるのか-敗因21ヶ条』(角川oneテーマ21 二〇〇四年。原文は1975〜1976年)。日本がなぜ…

牛のように超然と。

1916年8月24日に、夏目漱石はこう書いた。 〈牛になる事はどうしても必要です。われわれはとかく馬になりたがるが、牛にはなかなかなり切れないです。(略) あせっては不可(いけ)ません。頭を悪くしては不可ません。根気ずくでお出でなさい。世の中は根気…