2022-01-01から1年間の記事一覧
「若い時に工場の管理を任された。定期的に工員の面談をするんだ、一人一人。全員やると半年くらいかかる」 「はあ」 「“何か問題はないか”、“困ってることはないか”、1対1で面談する。それを全員やる。そうすると、工場全体の問題が浮かび上がってくる」 「…
不惑を超えて、まだ惑う。 40歳手前までは、いわゆる人生指南本は遠ざけてきた。染まるのが嫌だったからだ。 それから10年経って、「車輪の再発明」も不要かと時々指南本を手に取ってみる。 当然ながら、人生のステージによって指針は異なる。 特に興味のあ…
「寝つきのいい男はダメだ。仕事のことを四六時中考えて、“ああでもないこうでもない”と悶々として眠れなくなるようじゃなきゃ、出世なんかできないよ」 恰幅のよいその人はそう言うと、自信満々に笑った。 寝つきのよい僕も、つられて愛想笑いをした。 なる…
(保管用の自ツイまとめです。そのうち文章として形を整えたいと思っています)・「自分の頭で考えて!」とかいうの、そっちが望む答えを言わないかぎり「それは本当に自分の頭で考えたことなの?」「誰かに言われたことを鵜呑みにしてるだけ」と激詰めされ続…
(自ツイートを保管用にまとめたものなのでぶつ切れの文章です) ・逃げも隠れもしない団塊ジュニア世代なんですが、団塊ジュニアや氷河期世代は時々きちんと「こんなんワシらが望んでた未来とちゃうで」ってことは言っとかないといけないと思う。現状が変わ…
米国のハイテク企業でリストラが加速しているとかで、Twitterでも猛烈な首切りが行われているらしい。そんななか、一産業30年説という仮説を思い出した。 こんなものだ。 ①最初の10年、その産業が海のものとも山のものともわからない勃興期には、ギラギラと…
人の世は不条理で、たとえば同じ時代に生まれ、同じスタートラインから「ヨーイドン」でスタートしたとしてもその後の人生はまったく異なる。 ぼくは1973年生まれでそれなりに頑張ってきたつもりだが、たとえば翌1974年生まれのハローキティには人気も収入も…
「大阪の会社はね、よく本社を東京に移すでしょう。 でも京都の会社は本社を東京に移さない。 なんでかわかります? 京都から本社移す必要がないからですよ」 そんな話を聞いたのは京都の霊山歴史館でだった。 KYOTOは世界ブランドで世界中みんな知っている…
「地方都市に行くとオシャレなパン屋がポツン建っていてかなり繁盛している。いったいあれは誰が経営しているのか。 それは、『ヤンキーの虎』だ!」 藤野英人『ヤンキーの虎 新・ジモト経済の支配者たち』(東洋経済新報社 2016年)はそんな本だ。ベッドタ…
「俺らの世代は撤退戦。前の世代が広げ過ぎたものをうまく畳んで、次の世代に手渡すのが俺らの世代の仕事じゃないかな」 今から10数年前、友人Oがしきりにそんなことを言っていた。 当時は、そうは言ってもなにかやりようがあるのではと反論したりもしていた…
現代社会において、いわゆる「頭の良さ」とはメタ認知である。 たくさんの知識を持っているということは素晴らしい。だが、インターネットと知の結合により、知識そのものを持っていることの相対的価値は下がっている。自分自身で知識を持つことの大事さはい…
「読んじゃったから、これあげるよ」 別れ際に旧友Rが一冊の本をぼくに手渡した。 ありがとう。もらってばかりじゃ悪いから、なにかお返しを…そう言いながらぼくは自分のカバンをあさり、かわりに別の本をRに渡した。物々交換成立。 〈「俺たちは葬式にもウ…
やり遺したことがある。 社会制度というものは、その国やその社会の国民性や国民感情の上にある。 だから医療制度を考えるには、その国その社会の死生観や倫理観を熟知しなければならない。 制度を国民生活を入れる器とすれば、器におさまる国民生活をよく分…
社会がどう変わってゆくかに野次馬的関心がある。まだまだ予断を許さないとはいえ、2022年のゴールデンウィーク明けにコロナ感染の爆発がなかったことは日本社会に自信を与えた。大多数がワクチン接種を終えたあとであれば、2022年のゴールデンウィークくら…
「私は自分と同意見でない人は許すが、彼自身のもっている意見に一致しない人間は許せない」 フランス革命のころの政治家タレーランの言葉だ(河盛好蔵著 『エスプリとユーモア』岩波新書1969年 p.114)。 プリンシプルのない人とはつきあいづらい。 あっち…
「科学者になるには『あたま』がよくなくてはいけない」。同時に「科学者はまた、『あたま』が悪くなくてはならない」。そんなことを、寺田寅彦が書いている(『科学者とあたま』。角川文庫『読書と人生』p.91-97)。 もちろんあたまが良くなくては科学研究…
若い人へ。 ネット上では社長や教授のハイパーアクティブなツイートを見かける。「何者かに成れ」という圧力が強い世の中である。 だが、あれを見て「俺はまだまだだ」と凹む必要はない。 なぜなら、社長や教授は『鬼滅の刃』の“柱”みたいなもの、渋澤栄一の…
〈『うる星やつら』は究極のダイバーシティ社会〉。そんなことを深井龍之介氏が書いている(『Forbes JAPAN』2022年6月号p.125)。〈『うる星やつら』には、悪態ばかりついている二重人格の女の子(ラムの友達ラン)もいれば、とんでもない食いしん坊の僧侶…
遠藤周作氏の書いたものの中に、「タバコを吸う人はタバコを吸う医者にかかれ。酒飲みは酒飲みの医者にかかれ」という趣旨のものがあったように思う。タバコ飲み(懐かしい言葉ですね)の気持ちはタバコ飲みにしかわからないし、酒飲みの気持ちは酒飲みにし…
浅田次郎氏に『母の待つ里』という作品がある。これ以上は書けない。 マエストロの作品構成力、人物造形、物語の運びが冴える逸品であり、45歳以上の都市生活者および都市近郊生活者なら刺さると思うのでぜひ。お読みいただければ今回のテーマと隣接する作品…
〈高齢社会への道を進む日本において、決定的に欠けているのは大人の社交場なんです。〉 〈(2030年には)オタク文化の最初の世代が高齢者になるのですから、消費活動もその延長線上にあるはずです。〉(河合雅司・牧野知弘『2030年の東京』祥伝社新書2022年…
「頭が良い」というのはどういうことだろうか。 19世紀イギリスの随筆家P.G.ハマトンは「頭の良さ」を知能(インテリジェンス)と知性(インテレクト)に分けて論じている。 ハマトンによれば、知能とは目の前のタスクを間違いなくうまく処理する実務的な能…
水戸と言えば納豆。 しかし水戸で納豆が名物になったのは、明治時代のことだという。 歴史作家の河合敦氏の著作『この歴史、知らなくてすみません。』(PHP文庫 2018年)によれば、納豆を水戸の名物にしたのは笹沼清左衛門。 〈清左衛門は幕末の水戸に生まれ…
〈「いつかやる/多分やる」 将来の、ある時点でやりたくなる可能性のあることを常に最新の状態にしておくと、便利なだけでなく、人生にも希望が湧いてくる。〉(デビッド・アレン『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』二見書房2008年p.61) 人生の後半戦…
〈「いつかやる/多分やる」 将来の、ある時点でやりたくなる可能性のあることを常に最新の状態にしておくと、便利なだけでなく、人生にも希望が湧いてくる。〉(デビッド・アレン『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』二見書房2008年p.61) 人生の後半戦…
〈何事にせよ、ひとつのことに精通するには、一生の大半という長い年月が必要とされることは誰もが知っています。ところがこれがあまりにもわかりきったこのなので、かえってのん気な気持ちになってしまい、時間を節約すべき時に浪費し、時間を無駄にしない…
『なりたい自分』のための時間投資と、『ありたい自分』のための時間投資は異なる。 『なりたい自分』のための時間投資はいわば新規事業用の資金のようなものでまとまった量の確保が必要だが、『ありたい自分』のための時間投資は日常生活用のお小遣いみたい…
<休みになりゃ暇だし 仕事は暇なし> (B’z 『BIG』) 人生後半戦の時間とお金の使いかたについて考えている。 まさに冒頭の歌詞のような心境で、ぽっかり空いた日曜昼間の時間の中でこれを書いている。 さて、10年後に『なりたい自分』追求もよいけれど、…
「ストップ・トゥー・スメル・ア・ローズ。道に咲くバラの匂いを嗅ぐために立ち止まる。そんな人生を、ぼくは送りたいね」 そう言ったのはオーストラリア人のティムだった。今から20年以上前のこと。 『なりたい自分』と『ありたい自分』のことを考えて、そ…
良い中学や高校に入るため子ども時代を耐えて頑張る。 良い大学に入るために中高時代を耐えて頑張る。 良い会社に入るために大学時代を耐えて頑張る。 良い引退生活に入るために会社時代を耐えて頑張る。 良い墓に入るために引退時代を耐えて頑張る。 最後に…