2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ダイバーシティ2.0ー10年後、イノベーションのタネは海外ではなく田舎からやってくる

経済成長のために必要なのはダイバーシティだと言われ出したのはいつのころからだろう。 働き盛りの男性だけでアイディアを出していても限界がある、企業や大学に必要なのは女性や外国人、高齢者など様々な人材の視点だ、重要なのはダイバーシティだ、と皆が…

日常生活/アドベンチャー(R)

学生のころ、ローマでオーストラリア人の旅行者と会った。5人部屋でたまたま相部屋になったが、彼はとにかく洗練された旅行者だった。 彼は、相部屋のみんなの目の前で無造作にぽーんと財布を枕の中に放り込み、その上に頭を乗せてとっとと寝てしまう。こう…

本当は怖い日本の童謡

生きていくには時に欺瞞も必要で、笑顔の裏には底知れぬ闇が潜んでいる。そんなことを教えてくれたのは童謡だった。 「森のくまさん」のハンパないストーカー感。さあお嬢さん、お逃げなさいと言っておきながらフフフと笑いながらあとからついてくるってなん…

医療人情報サイト『臨床+α』でインタビューしていただきました!

昨年出た本、『3分診療時代の長生きできる受診のコツ45』について、医療人情報サイト『臨床+α』でインタビューしていただきました! ぜひお読みください! ☞» 「3分診療時代の長生きできる受診のコツ45」出版記念インタビュー 1/2 > 臨床+α 3分診療時代の長…

パワポ頼みはもう卒業!プレゼンテ―ション成功のための7ヶ条(R)

現代社会では、誰もが常にプレゼンテーションを求められる。プレゼンテーションを成功させるためにはおさえるべきポイントがいくつかある。 以下に列挙する。 1.“お持ち帰り”はなにか。 まず第一に、プレゼンのとき聴衆は基本的に語り手の話を聞いていない…

ポジション取り理論から考えるベッキー復活試案

渡辺謙とIBMのワトソンが会話するCMを眺めながらふと思った。「渡辺謙の後が空いているな」と。もちろん僕が目指すわけではない。もし仮に自分が若くて売れない役者だったら、一か八かポスト渡辺謙ポジションを目指すのもアリだなと思ったのだ。 残念ながら…

“にもかかわらず”の哲学(R)

ある仏教研究者は言う。「私の考えでは、どんな世の中であっても、どんなちっぽけな存在であっても、“にもかかわらず”、人はnoble life、気高く生きていくことができる、ということこそが救いなのです」と。 死生学者は言う。 <死にゆく人々にとって、ユー…

病いに苦しむ人に、伝統宗教は何ができるか(R)

昔のノートを読み返していて、イギリス人仏教学者から話を聞いたときのメモを発見。 医療、特に終末期医療のあり方を考える上で、伝統宗教を知ることは必須だと思い、お話を伺った。 難病や事故の後遺症に苦しむ人に、伝統宗教はどのような救いを与えられる…

ビルの谷間を飛ぶモルフォ 3(R改)

海外で一人旅をしていると、驚くほど色々なところで日本人の旅行者にあう。 パリやロンドンなどで道の向こうを歩く日本人を見ると、 「またこんなところに日本人がいる。海外に来てまでわざわざ日本人と話したくないよ、無視無視」 などと思ったりするのだが…

ビルの谷間に飛ぶモルフォ 2(R)

テレビのニュースキャスターは興奮気味に何かを語るけれど、言ってる意味がわからない。 早口のポルトガル語が右から左へ抜けていく。 画面の下に小さな文字でテロップが出て、倒壊したビルがニューヨークの貿易センタービルだとわかる。 ガス爆発?飛行機事…

『文庫川柳』、今すぐお試しを。

今twitterで盛り上がっているものの一つに『文庫川柳』がある。 www.buzzfeed.com『文庫川柳』とは、文庫本のタイトルを組み合わせて川柳をつくるあそびで、盛岡市のさわや書店本店のアカウント@sawayahontenが5月11日にtwitterにあげた『酒呑まれ』『酒場め…

ビルの谷間に飛ぶモルフォ(R改)

かつての同僚Sさんは昆虫好きで、いろいろと教えられることが多かった。 奥本大三郎がファーブル昆虫記の訳者であることも教えてもらったし、蛾と蝶の見分け方も教わった。木や壁に止まって休むとき、羽を広げて止まるのが蛾で、羽を立てて止まるのが蝶なん…

フランス人D君が教えてくれた日本人、ヨーロッパ人、アメリカ人の違い 4ー違いはなぜ、どのように生まれたのか

知人のフランス人D君があるときこんなことを言った。 「なにかをやるとき、ヨーロッパ人がこだわるのはwhyだが、日本人はhowにこだわる。そしてアメリカ人が最もこだわるのがhow muchだ」 面白い指摘で、このことについてずっと考えている。仮にそれが本当だ…

ラスト・サムライ・イン・ハバナーアメリカ・キューバ国交回復に思う。

「キューバではね、『ラスト・サムライ』は大人気よ。あっちでは『ウルティモ・サムライ』って言うんだけど。 テレビで『ウルティモ・サムライ』が放映される日には、道から人がいなくなるの。たぶん8割の人が観るわね」 深夜のクラブの片隅で、ハバナから来…

フランス人D君が教えてくれた日本人、ヨーロッパ人、アメリカ人の違い 3-「道」は結局どこにたどりつくのか(R)

我ながらしつこいが、もうちょっとだけ「ヨーロッパ人はwhy,アメリカ人はhow much,日本人はhow」について考える。 アメリカ人のこだわるHow muchは、摩天楼や、ビル・ゲイツやザッカーバーグ、持てる1%と持たざる99%に行きつく。ヨーロッパ人のWhyは、明…

フランス人D君が教えてくれた日本人、ヨーロッパ人、アメリカ人の違い 2ー「なぜ」と「なんぼ」と「どのように」(R)

(写真はイメージです。photo ACより) 知人のフランス人D君があるときこう言った。 「なにかをやるとき、ヨーロッパ人がこだわるのはwhyだが、 日本人はhowにこだわる。そしてアメリカ人が最もこだわるのはhow muchだ」 実証は難しいが、仮にその話が正しい…

フランス人D君が教えてくれた日本人、ヨーロッパ人、アメリカ人の違い-HowとWhyとHow much(R改)

なにか仕事をやるときによく思い出すのが数年前に聞いたフランス人D君の言葉だ。D君はフランス人だが、「D・八郎」、「夜のサイトーくん」の異名を持つ、日本と日本語に精通している大変に優秀な人物である(ただし剣道は嫌い。痛いから)。 「なにかをやる…

共感覚者の憂鬱

共感覚/synesthesiaという現象がある。 特定の音を聞いたときに色を感じたり、数字を見ると色がついて見えるというように、ある刺激を受けると別の感覚も一緒に感じるというものだ。 ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび』(角川書店 2005年)によれ…

こどもの日、ジャイアンを想う(R改)

息子がもっと幼いころ嫌いだったものに、『ドラえもん』がある。 不思議に思って理由を聞くと、「ジャイアンが怖いから『ドラえもん』嫌い」と息子は言った。 たしかにジャイアンは怖い。なにしろ体が大きいし乱暴だ。わがまま勝手ですぐ暴力をふるい、ほし…

患者さんと医者の関係の地域性(R改)

「東京の人と大阪の人と名古屋の人が三人で会食をした。 食事が終わって三人はそれぞれ考えた。 東京の人は<全員分払うといくらになるか>を考え、 大阪の人は<割り勘すると一人あたまいくらになるか>を考え、 名古屋の人は<自分の分をおごってくれるで…

次世代の電子カルテを考える~医者がみのもんたになる日

ネットで最近読んだ話でこんなものがある。 平成生まれの人が平成10年生まれの後輩に、「なんで平成一桁生まれの人って、がんばってフリック入力でTwitterしてるんですか?」と聞かれた、というものだ。 平成10年生まれ「何で平成一桁生まれの人たちって、が…

どこでもドアを見逃した男(R改)

「どこでもドア」を開けそこなった男の話が、小山薫堂の本に出てくる。こんな話だ。 ゆるキャラ「くまモン」のプロデュースでも知られる放送作家、小山薫堂が満員の地下鉄に乗っていると、隣の若いサラリーマンが熱心に本を読んでいる。赤ペンで線を引きつつ…

笑点・サウダージ‐歌丸さん、『笑点』引退

歌丸さんが『笑点』の司会者を引退するというニュースは想像以上にある種の人々を動揺させた。ある種ってなんだ。 ここ何年も『笑点』を見ていないくせに、目をつむればあのイントロが聞こえてくる、座布団を運ぶ山田くんの姿が見えてくる。そしてもし日曜夜…