2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

6.「空気が支配する国」での生き抜きかた。

まず最初に申し上げたいのは、これは「べき論」ではなく「好き嫌い」の問題だということだ。少なくともぼくはそう認識している。 「空気」の支配の中で心地よく過ごしたければそうすればよいし、「空気」の支配を嫌うのなら、その対策を取らなければならない…

5.「空気」と「世間」~『空気が支配する国』を読んで。

〈世間とは、いったい何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。けれども、何しろ、強く、きびしく、こわいもの、とばかり思ってこれまで生きて来たのですが、しかし、堀木にそう言われて、ふと、 「世間と…

4.なぜ我々は「空気」を研究しなければならないか~『空気が支配する国』

『空気が支配する国』(物江潤 新潮新書)を読んでつらつらと。 なぜ我々は「空気」を研究しなければならないか。それは「空気」が我々をわずらわせるからである。 古代ギリシャの賢人エピクロスはこう書いている。 〈かりに天界・気象界の事象にかんする気…

3.『空気が支配する国』の独自の視点は、「空気」による支配を一部肯定したところにある、という話。

物江潤氏の新著『空気が支配する国』(新潮新書)を読みながら、つれづれなるままに空想を遊ばせている。週末だから脱線する。 山本七平氏による「空気」の発見以降、知識人による「空気」論というのはいくつかある。 物江氏の『空気が支配する国』の独自の…

2.「人」と「人間」-『空気が支配する国』を読んで。

〈しかし人が人間関係においてのみ初めて人であり、従って人としてはすでにその全体性を、すなわち人間関係を現している、と見てよいならば、人間が人の意に解せられるのもまた正しいのである。だから我々は「よのなか」を意味する人間という言葉が人の意に…

1.『空気が支配する国』と『プリンシプルのない日本』

それは2019年4月1日、午前11時50分のことだった。人生ただ一度のことだったのでよく覚えている。生まれて初めて、「空気読んで…」と口にしてしまったのだ。だって、これから新元号が発表されるというので診療所でテレビの前にみんなで釘付けになっていたら、…

病院経営万事研修その7-愛・おぼえていますか。

「働いている人が幸せでなければ、利用者を幸せにはできない」 10年ほど前にデンマークの高齢者施設で聞いた言葉だ。デンマークではそのころ、介護施設で働く人々の待遇改善を求める社会運動が繰り広げられていたという。 T君、誘ってくれてありがとう。Oさ…

病院経営万事研修その6ー求む、『サイゼリヤのエンジニアリング部が実現するスゴい仕組み大全』(仮題)

〈我々のもう一人の被験者、リコ・メイデンという名の労働者は、仕事の中でこの感情をしばしば経験した。彼はジュリオと同じ工場のベルトコンベアーでジュリオから少し離れたところで働いている。彼の部署の前を通るユニット〔製品の部分になる部品のまとま…

病院経営万事研修その5-「仕組み」と科学とノンファット

〈セントラルキッチンを作り、そこから2つの店に下準備を済ませた食材(半加工品)を運ぶようになって気がついたのは、運搬による質の劣化だ。運搬といっても、ほかの2店は、駅を挟んで反対側の商店街と、隣の駅から歩いてすぐの所にあり、セントラルキッチ…

病院経営万事研修その4-オペ室看護師はフライドポテトの夢を見るか。

〈サプライヤーの一人が、ある日私にこう言った。「レイ、君はハンバーガービジネスを行っているんじゃない。フライドポテトビジネスだ。何が秘訣かは知らないが、君のところのポテトは、このあたりでは最高だよ。これを求めて客はやってくるんだ」〉(レイ…