とある地域の漁業組合にヒアリングに行ったことがある(本当)。
昔より遠洋漁業の勢いが無くなって少し元気が無いみたいな話の流れの中で、仲間の一人がこう言った。
「隣町は伊勢海老の養殖で成長してるとか。この町ではやらないのですか」
漁協の方が言った。
「……そんなの、つまらんじゃろう」
どうも話を聞くと、漁業の醍醐味はドカンと当てる、みたいなところにあるらしい(個人の感想です)。
正月に漁に出て、大漁だったら残りの一年遊んで暮らす、長い間不漁でもある日大物を釣れば一発逆転みたいな面が漁業にはあるらしい(個人の感想です)。
漁師というのは海の狩猟民族なのだと感じた。
ギャンブラーの血が流れているのだろう。
別の地域の話。
捕鯨の町で遠洋漁業の会社の社長が言った。
「おれは銀座とかは全然わからないけどよ、ニューヨークやサンティアゴの街ならよく知ってるぜ。漁業交渉でよく行くからよ」
海を駆ける男たちはグローバルであった。
これまた別のところで聞いた話。
大災害などで地域の家々が全壊した時、一番先に家を建て直すのは漁師たちだったという。
板子一枚下は地獄の世界で生きている男たちは、常に独立自尊、究極的には自分と仲間の力しか頼らないというのが徹底してるようだ。
「日本は農耕民族の国だから」という人がいる。
まあそうなのかもしれないが、日本には漁師も昔からいる。