【覚書】マンガ編集者の話。

覚え書き。

 

マンガ編集者の話。 たぶん1980年代後半、朝日新聞夕刊の文化欄の論評でこんなことが書いてあった(と思う)。

 

日本のマンガは子ども向けだけではなく文学や政治経済、思想、文化などありとあらゆるテーマを幅広く扱うようになった。その背景の一つに、編集者の存在がある。

商業マンガ文化が急速に成長拡大した時期、各出版社は若手社員をどんどんマンガの担当にした。その中には「マンガなんか子どもだまし」とか「オレは哲学書作りたくて出版社入ったんだ。なんでマンガなんかやらされるんだ」みたいな人も少なくなかった(とその評論に書いてあった)。

『サルでも描けるまんが教室』にも「わしゃ埴谷雄高に憧れてこの業界に入ったんじゃ〜!」みたいな編集者が出てきますね全共闘崩れの編集者とともに。

 

で、そうしたマンガに何の興味もない編集者が、本当は自分がやりたかった文学や政治経済や思想といったテーマに関われないルサンチマンを担当した漫画家にぶつけて「やらせた」ことが(ことも)、マンガのテーマを広げることにつながった、みたいな話。

 

異種の文化がぶつかることで新たな文化が生まれる、そしてそれは時に予期せぬ形で起こり、予期せぬ成果を生むみたいな話ですごく面白かったので覚えています。いつか時間ができたら元の評論を漁ってみたい。