日本に働く医者として、大前提として3分診療でよいとは思わないと繰り返し宣言したうえで、じゃあどうするかを考えたい。少なくとも明日あさってのうちに3分診療体制が根本的に改善する可能性はないからだ。
3分は短い。しかし3分あればビートルズなら「ラブ・ミー・ドゥ」を歌って世界を変えたしウルトラマンは地球を救える。
要は、3分をどう使うかだ。
前もって頭と心の準備をして受診することで3分間のクオリティをぐんとあげることができる。
ポイントはとにかく直球勝負。
一番最初に一番困っていることを一言で伝える。「頭痛がします」「腹痛がします」と一言で伝えてしまう。
医者なら誰しも経験することだが、まわりくどい説明にまいってしまうことがある。
「○○病院の××先生にはじめにみてもらったんだけれど、××先生は△△大学出身で、○○病院の二代目で、○○病院の先代の□□先生は立派だったけど、××先生は頼りなくて。××先生、ご存じですか?」
こんなふうな話を聞いた経験がない医者はいない。
ほぼ確実に××先生の事は知らないし、それよりもなによりも医者が一番知りたいのはとにかく体のことなのだ。
だから、とにかく診察室に入ったらずばっと困っている体のことを一言で伝えてしまう。そこからすべては始まるのだ。