3分診療のままでよいとは思わない。それでもなお、できることがある。
気が付けば今年もあとわずか、この時期に流行るのがインフルエンザだ。
夜間休日の急患待合い室は、インフルエンザや風邪の患者さんでごったがえす。マンガ『もやしもん』みたいに、ウイルスや細菌がもし目に見えるものだったら、この時期の病院待合い室は壮絶な混雑ぶりであろう。
インフルエンザと風邪は別の病気で、治療法も違う。
インフルエンザの可能性があるかどうかは全身症状があるか、関節や筋肉が痛むかどうか、重症のわりに鼻水やくしゃみなどが少ないor無いかどうかで検討をつける。
インフルエンザウイルスによって引き起こされるインフルエンザは重症化しやすく、時に体力のない高齢者の命を奪ったりもする。インフルエンザの場合には体の節々が痛くなったりとにかくだるかったり、「いつもの風邪と違う」感じが特徴だ。
一般の風邪の場合には全身症状はそれほどひどくなく、鼻水やくしゃみなど鼻中心の症状となる。風邪の原因ウイルスの一つライノウイルスのrhinoは「鼻」という意味である。
ちなみにインフルエンザの語源は「influence」で、これは16世紀の占星術師たちが、「この病気は星の動きの影響だ」と言ったことに由来する。星のせいじゃなく、ウイルスのせいだよ、と言えるのは後世に生きる者の特権だ。
インフルエンザの場合には有効な薬がある。関節が痛い、筋肉が痛い、鼻水はそんなに出ないけれどだるくて仕方がない、「これはいつもの風邪とは全然違うな」と思ったら、ぜひ受診をお勧めしたい。そのときは忘れずに「関節や筋肉も痛いんです!」と医者に伝えてください。
参考HP)