スマホアプリ「Coke on」に思う。

人の世でモノゴトを継続的に動かしていくには「義」「情」「理」「利」が必要である。
順番や割合はさまざまだが、「義」がないところに多くの人は集まらないし、「情」が動けばモノゴトは継続する。「理」があればあんまりブレずに済むし、「利」があるからこそ人々はコミットし続ける。
ここしばらく愛用しているアプリ「Coke on」のことを考えていたらそう結論が出た。

 

「Coke on」はデジタルスタンプで、スマホをかざしながらコカコーラ社の自販機を利用する。一本買うと一個か二個デジタルスタンプがもらえる。15個スタンプがたまると一本好きなドリンクと交換できる。
これが良くできていて、気づけばコカコーラ社の自販機ばかり使うようになった。

 

で、その「Coke on」にはたくさん歩くとご褒美にスタンプがもらえる機能がある。累計何万歩歩くと一個スタンプがもらえるというものだ。

 

ウォーキングを奨励して人々の健康づくりに貢献する、という「義」はある。
スタンプを集めて楽しい「情」もある。
自分が何歩歩いたか気になるユーザーはアプリの使用頻度が上がる、という「理」もある。
だが、ウォーキングを奨励してご褒美にスタンプを発行することにコカコーラ社の「利」はあるのかと気になった。スタンプは15個貯めると一本分のドリンクチケットになるので、金券と一緒だ。
たくさん歩く人に金券を渡してコカコーラ社の「利」はどこに、と思ったわけである。

 

しばし考えて、あぁと思った。
たくさん歩けば(歩かせれば)ノドが渇くじゃないか!
ウォーキングを奨励してみなを歩かせればノドが渇く。ノドが渇けばコカコーラを飲む。コカコーラを飲めばカロリーの取り過ぎで太る。太ればまた歩かなければならない。
「Coke on」、Cokeし続けろ。
まさに悪魔の無限ループ…。

Coke onの開発者は悪魔的発想の持ち主とお見受けする。
スマホアプリに、ご用心。

 

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