3分診療でどこまでできるか・番外編『膀胱炎のときは、水を飲む』

3分診療のままでよいとは思わない。それでもなお、できることがある。

排尿したときに痛みがあるとかトイレが近くなって何度も排尿しにいきたくなる、残尿感があるなどの症状のときに考えるのは膀胱炎だ。

体の構造上、男性よりも女性に多く、「膀胱炎になりました」と受診する女性は多い。病院では、尿の検査をして膀胱炎であることを確かめる。

 

軽い膀胱炎のときに医者に言われるのが「インスイレイコー」。

「飲水励行」と書く。どんどん水を飲んでください、ということだ。
ただでさえ頻尿なのにさらに水を飲んだらますますトイレに行きたくなるじゃないか、と思われるかもしれないが、当然理由がある。

膀胱炎は膀胱にばい菌が入って繁殖している状態なので、どんどん水を飲んでどんどん尿を出してばい菌を洗い流すのである。
「体の中から悪いものを出しちゃうのが大事」の原則は、下痢や嘔吐の時と一緒である。

症状が全身に及んで高熱を出しているとなると飲水励行だけでは足りず、抗生物質を使うことになると思う。しかしもともとが健康体のかたで軽い膀胱炎で医者に行こうか迷ってるときにはまずは水をたくさん飲んで、膀胱の中のばい菌を外に出してしまうことをお試しください。

以下、自分用メモ

・女性の再発性膀胱炎 遺伝的に泌尿器上皮が大腸菌に対し親和性が高い患者がいる(青木眞『レジデントのための感染症マニュアル』第一版 医学書院 p.232)
・若い男性の膀胱炎 50歳以下の若い男性の膀胱炎は極めてまれで、何らかの基礎疾患を疑うべき(上掲書 p.240)

人間、いくつになっても勉強であるなあ。

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

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