通勤電車が遅れたときに知っておくべきたった一つの話(R)

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連休明け、乗っていた通勤電車が遅れることが続いた。

ネット情報だと某路線では「本日、多数の駅で体調を崩されるお客様が続出しているため、電車が遅れております」などというアナウンスがかかったそうで、まあ連休明けに仕事に向かって気分が悪くなってしまったりするんでしょうな。

古人曰く、<人間は、働くようには作られていない。働くと疲れるのがその証拠である>。

そうはいっても働かずに生きていける人なんてのは一握りで、どうにかこうにかみんなえっちらおっちら職場に向かうわけである。そりゃあ具合も悪くなるというものだ。

 

どこかしら我慢を抱えた通勤途中、電車の遅れというのは正直イラッとくるものの一つだ。
人身事故や車両のトラブルなどやむを得ない事情ではあるが、数十分遅れたりすると次の予定もあるしこちらも困ってしまう。

急ぎ過ぎて事故を起こすよりはマシ、何年か前には電車の運行を時間通りに行おうと無理した結果大きな電車事故が起こったこともあるし、平常心平常心と唱えるが、時には数分の遅れでもイライラしてしまったりする。
そんなときはインドの小話でも思い出して心を落ち着かせることにしたい。
何で読んだかは忘れた。

 

インドを旅行中の日本人観光客が列車の指定席券を買って、自分の座席に向かった。
指定された自分の席であるD4席に行くと、見知らぬインド人が悠々と座っている。
このやろう、図々しいやつだと猛烈に抗議するが相手は一向に動じない。それどころかお前のチケットを見せてみろと言う。
これでも見ろ、とインド人の鼻先に自分のチケットを突きつけてやるとインド人はこう言った。


「確かにチケットにはD4席と書いてますね。だが日にちが一日違ってます」。
んなわけあるか、間違いなく今日の日付だと怒ると、インド人は言った。
「私たちが今乗ってる列車は<昨日>の列車です。つまり出発が24時間ほど遅れてるんですな。
<昨日>の列車に乗るには<昨日>の日付の指定席券が必要です。私が持ってる券ですな。
あなたが持ってる券が使える<今日>の列車は、しばらく待てば来るんじゃないでしょうか。

たぶんね、明日には乗れますよ」。

24時間の電車の遅れとはびっくりするが、インド数千年の悠久の歴史を思えば24時間の電車の遅れなど誤差範囲。ましてや日本の電車の数分の遅れなど<ゼロ>に等しいというものなのである。


(FB2014年5月8日を加筆再掲)

 

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