「三角関数なんか社会に出たら使わない」と『ゴーマニズム宣言』

小林よしのりの『ゴーマニズム宣言』の中で、成人式を迎える小林氏に彼の父親が「スーツを買ってやる」というシーンが出てくる。
当時大学生の小林氏は時代もあって成人式にスーツなんてダサいもの着ていかないからいらない、と言う。
それに対して彼の父親はこう言った。
「成人式にスーツ着て行かなくてもいい。だが同級生の中には高校出て立派に働いていてスーツで来るやつもいるだろう。
だから着て行かなくてもいいからスーツは買ってやる。
持っていて着ていかないのと、持っていなくて着ていかないのでは、心の余裕が違う」
これこそ大人の見識だと思う。

 

三角関数なんて社会に出たら使わないから、高校で全員に教える必要はない」と某氏が言った。
「漢文なんて使わない。社会人になって漢文使ったのは〝春はあけぼの〟くらい」と別の某氏がツイートして、〝春はあけぼの〟は古文で、そこで例出すなら〝春眠暁を覚えず〟だろ、と失笑を買った。

 

三角関数や漢文古文は社会人になって使わないかもしれない。
だが、知ってて使わないのと、知らないで使わないのでは、心の余裕も心の豊かさも違うのである。

 

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