団塊ジュニアと『T・Pぼん(タイムパトロールぼん)』、あるいは2020→1979&1979→1945。

教訓とかオチとかなくて、だらだらと感慨だけの話。
もし1970年代前後生まれの人が少しばかり共感していただければそれ以上の喜びはありませぬ。

休校措置が長引いて我が子たちが動画ばっかり見てやがるので、さすがにこれはいかんと思っていろいろ思案しまして。
まあでも自分が子ども時代にこんな休校措置とかあったら絶対自主勉強なんかしませんわな。当時はYouTubeもないしやることないから一日中テレビ漬けで、昼間は見るものないから教育テレビで『さわやか三組』とか『できるかな』とか見て昼からテレビ東京で変な洋画見て夕方から『ルパン三世』『シティーハンター』とか『スクールウォーズ』の再放送見てると思う。楽しそうだな。

で、子どもたちに学ぶモチベーションを与えたいと思って、ここはやはり入り口はマンガだろと思って、取り寄せたんですよ、SF歴史マンガの藤子F不二雄『タイムパトロールぼん』。自分も好きだったもんで、久々に読んでみようと思って。

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で、こっからが本題なんですけど、『T・Pぼん』の舞台は1979年ころでして。もちろんネットもパソコンもスマホも出てこないけど、描かれている生活習慣とかは約40年後の2020年に読んでもそんなに変わらないんですね。
でも「おお…」と思ったのが、特攻隊の若者を中学生の主人公がタイムトラベルして救う話。

特攻隊の若者は特攻で死んじゃって、恋人が残されて一人暮らしているんだけど、1979年の物語舞台では残された恋人の女性は50代くらいで、主人公ぼんの英語の先生なんです。
物語舞台の1979年からみれば敗戦の1945年は34年前で、敗戦時に10代だった人が1979年に50代くらいってのは考えてみると当たり前なんだけれど。

1970年代、まだ子どもだったぼくには、戦争ってはるか昔の歴史の話のように感じられていたけど、当時の大人にとってはたかだか30〜40年前のリアルな話だったんだなあって今さらながら体感したわけです。
2020年現在に、1984年のロサンゼルス五輪でカール・ルイス速かったねー、開会式で人間が空飛んでたねーとか言ってるのと同じくらいの時間感覚。あるいは1988年のソウル五輪開会式でハトが大変だったねみたいな感覚で、1970年代の大人たちは戦争のことを思い出し語ったり語らなかったりしたんだなあと。

思えば子どものころ親に銀座に初めて連れて行ってもらった時に、おそらく傷痍軍人と思われる物乞いを見て衝撃を受けた(本当)し、もうちょい大きくなったときにも両国のパチンコ屋の景品交換所に行ったらヨレヨレのグンゼの袖なし下着シャツ着た隻腕のジサマが奥から出てきて万年筆のペン先を買い取ってくれたりして、1970〜1980年代にはまだまだ戦争は地続きなものであったのだなあ

とにかくこの話から安っぽい教訓とか引き出すつもりは全然なくて、あああれからずいぶんと時間が経ったものだなあという感慨があるだけです。

今から40年後の2060年には、このコロナ時代をどう思い出すのでしょうねー。

それじゃまた。