『山月記』を読みながら。

いま一部で話題の『山月記』を青空文庫で読む。

 

よくこういうので誰かが漢詩を浪々とうたいあげてほかの誰かが書きとめる、みたいなシーンあるじゃないですか。
漢詩とかってよく知らんけど韻とか踏むじゃないですか。韻とかって同じ音とか似た音を駆使するわけで、ああいう漢詩をうたいあげて誰かが書きとめるシーンの裏側には数多の悲劇があったと思うんですよ。

 

「なんとかかんとかなんとかかんとかキョウ
かんとかなんとかかんとかなんとかキョウ
なん…」
「センセ、ノリノリなとこすんまへんけど、いまのキョウってどんな字ぃでっしゃろ?」
「ああ、いまのキョウはキョウカイのキョウやな。ええか」
「はあは、教会のキョウ、教えるのキョウでんな」
「お前いま何ゆうた?教えるのキョウやて?教えるのキョウは1行目のほうやないか。2行目のキョウはもう1個のキョウカイのキョウやで!」
「ああー1行目のキョウは教えるのキョウやったんや。これで意味が通じるわ。わし1行目のキョウに協会のキョウ、協力のキョウ書いとったわ。2行目のほうがもう1個のキョウカイ、協会や協力のキョウなんやな」
「まてまてまて。2行目のキョウはそっちやなくてもう1個のキョウカイゆうとるやないか。境界線のほうのキョウカイ、境い目のキョウ、引っ越しのサカイの境ゆう字ぃや、2行目のキョウは」
「はあはあ、2行目のキョウは境い目のキョウなんやな…わかりにくくていかんわほんまに。…しかし引っ越しのサカイのサカイって境でええんやろか、酒井や坂井ちゃうんやろか、ねえセンセ」
「ああもうごちゃごちゃうるさいやっちゃ、あとでググればええやないかしかし。ワシいまノッてんねん。これはえ漢詩になるでー。名作のヨカン、ゆうやつやな。ほないくでー」
「センセ、ぐぐるゆうてもここwifiつながりませんねや」
「うるさいうるさい。あんまごちゃごちゃゆうてるとワシ、虎になるでほんま。…なあ、『ワシ』が『トラ』になるてちょっとおもろない?」
「しょうもな」
「…お前のせいで続き忘れたやないか!」

 

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