ピンクのクラウン・タクシー、乗るか否か。

朝からエラいものを見た。ショッキング・ピンクのタクシーである。
以前にニュースになった、どピンクのクラウンのタクシー版だ。あんな色のタクシーは初めて見た。

 

それで考えたのは、このタクシーに乗るべきか否かであった。全然乗る必要のないタイミングだったが、一瞬「話のタネに乗るべきではないか」と思ったのだ。

 

立場を替えていえば、タクシードライバーにとってどピンクの車体は吉か凶か、ということである。
目立つことで普通より多くの顧客を拾えているのかもしれないが、コモディティビジネスには没個性の安心感というのもある。ユニクロなどのノームコアファッションなどが代表だ。
ピンクの車体だからといって通常の3倍の速度を出すわけにもいくまいし、たとえば葬儀がえりの客には敬遠されるだろう。

 

一方で、目立つことで酔狂な客を拾えるかもしれないし、路上で目立てばもらい事故の確率は下がるだろう。タクシードライバーが個人タクシーとして独立するためには何年間か無事故でなければならないはずで、事故率が下がるのは独立を望むドライバーの場合にはものすごく重要なことだ。

 

またフリーの客を拾って気に入られれば、次回から「ピンクのタクシー」として指名してもらえるかもしれない。
日本ではピンクというといささかエロティックな響きを持つが、欧米人客はピンクというと顔色の良さなどから健康的なイメージを持つだろう。中国人観光客は派手好きが多そうだし、ピンクから東アジアで好印象のピーチを想起するかもしれない。一方で、外国人観光客にとって、ほかのタクシーとあまりに違うがゆえにタクシーと認識されないリスクもある。

 

考えれば考えるほど訳がわからなくなる。こうなったら実際に乗ってみてドライバーに直接きくしかない、と思い切って手を挙げたが一瞬遅かった。
全身どピンク色のスーツの、甲高い声で大変にぎやかなご夫妻にタクシーに先に乗り込まれてしまったのである。
とても残念な出来事で、こういうのを「全てがペーになる」というのであろう。合掌。

 

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