読書感想文に何を書いていいかわからない人のためにー「お題」+「Q思考」ですべての文章は書き上げられる。

「なにを書いていいかわからない」。
文章を書く際によく聞く悩みだ。この季節、読書感想文に頭を悩ませる親子も多い。

 

そんな場合におすすめなのが「Q思考」(ウォーレン・バーガー著 ダイヤモンド社の同名書より)、クエスチョニングの手法だ。すべての文章は、「お題」+「Q思考」で書き上げられるといっても過言ではない。

 

「Q思考」では、当たり前におもえるテーマに「なぜ」「もし〜だったら」「どうやって」というクエスチョンを投げかけることでブレイクスルーを図る。
たとえば企業の研究レポートを書く場合、その企業のミッション・ステートメントにクエスチョンをぶつけてみる(上掲書 kindle版 3370/4563の手法)。
まずはこれ、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」。


いつもならさらっと聞き流すこのフレーズに、「どうやって」というクエスチョンをぶつけてみる。
あなたとコンビになるためには、あなたがどんな人物か知らなければならない。これは顧客像の調査・把握という視点だ。
コンビになるためには、あなたの行く場所行く場所に存在しなければならないから、店舗展開をどうするか、という視点を生む。
コンビになるということは、あなたが困っているときに助けられなければならない。これは品揃えや提供サービスの見直しという視点をもたらす。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」という聞き慣れすぎたお題にクエスチョニングをぶつけると一気に視野が広がる。これを文章にまとめれば、少なくともレポートの体裁は整う。

 

「お題」+「Q思考」の手法は、もちろん読書感想文にも応用可能だ。
実際にやってみよう。

 

「お題」は、ジュール・ヴェルヌ八十日間世界一周』。
「なぜ」、八十日間世界一周なの?→主人公フォッグ卿が、仲間と賭けをしたから。
「もし」八十日間で世界一周できなかったら?→フォッグ卿は全財産を失う。
「どうやって」世界一周したの?→召使いのパスパルトゥーとともに、船や鉄道や象に乗って。
「もし」君が世界一周するとしたら?→もしぼくが世界一周するんだったら、はじめに計画をしっかり立てて、あの国を通ってこの経路で行くなあ。

 

こんなふうに「お題」にクエスチョンをぶつけるだけで、いろいろと展開してくる。あとはそれを文字化すればokだ。

 

もう一つ例を出してみる。太宰治走れメロス』。
「なぜ」メロスは走ったの?→暴君ディオニスから、親友セリヌンティウスを救うため。
「どうやって」メロスは走ったの?→妹の結婚式を終え、雨の中、暴漢たちに襲われ、時に心を折りそうになりながら。
「もし」君がメロスだったら?→もしぼくがメロスだったら、途中であきらめてしまうかも…。メロスはすごい!

 

こんなふうに「お題」+「Q思考」で、すべての感想文は書き上げられる。

 

まだまだ行ってみよう。
芥川龍之介『鼻』+「Q思考」。

「なぜ」鼻なの?→…………なぜ鼻なの、と言われましても………。

 

 

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