「Forget about it!」。

人生に力強さを与える言葉というものがある。ぼくの場合は「Forget about it!」がその一つだ。
 
ブルックリン生活が長かったわけではない。アルパチーノとジョニー・デップの映画『フェイク』(原題『DONNIE BRASCO』)で覚えた。
主人公のジョニー・デップがおとり捜査のためにマフィア組織に潜入する話なのだが、映画の中でマフィア(映画の中のスラングだと“wise man”かな)の男たちがしきりにこの「Forget about it」という言葉を吐く。
文字通り訳すと「忘れてくれ」だけれど、映画の中でマフィアたちは二言めには「Forget about it!」と言う。
腹が立つことがあれば「Forget about it!」、何かを誉めるときも「Forget about it!」、なんでもかんでも「Forget about it!」。
 
染まりやすい若い時期に観たせいで、ぼくも影響されて使うようになってしまった。
実際に人前で口に出したことはない。だが、腹が立ったときや理不尽な目にあったとき、何もかもめんどくさくなったときに心の中でつぶやくと、不思議とスパッと前に進む勢いを与えてくれるのだ。
 
この「Forget about it!」は映画の中ではややフォーレターワード的に使われることも多かった。少なくともお上品な言葉ではなさそうだ。
こうしたお上品ではない言葉、たとえば罵り言葉というのはもちろん人前では使わないほうがよいが、知っておくと生きていくのに便利かもしれない。心の中で唱えると、迷いや戸惑い、怒りや落ち込みを断ち切り発散できるからだ。
ラピュタの「バルス」みたいなもんで、決して使ってはならないけれど、知っておかないと生きていけない言葉というのがあるのだろう。
 
まあいろいろですね。忘れてくれ。
 
付記)具体的にはTwitterで反ワクチンの人とかに絡まれたときに使ってます、「forget about it」。