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マツコ・デラックス老後の夢は「100億円マンション」~マツコロイドは遺産相続の夢を見るか/電子後見人AI(改)

2016年3月12日、人工知能AlphaGoが「世界最強の棋士」と呼ばれるイ・セドル9段を打ち負かした。人工知能AIが人間を越えた日としてしばらくの間記憶されていくことになる。

AIの発展によってこれから加速度的に人間社会は変わっていく。多くの仕事はAIに奪われ、人間ははてさて何をしていったらよいものやら。

 

ざっと検索したところではまだ誰も指摘していないAIの需要がある。後見人、特に独居で身寄りのない認知症患者さんの後見人だ。

平成27年版厚生労働白書によれば、2010年現在の日本の生涯未婚率は男性20.1%、女性10.6%。同白書では、2035年の推計生涯未婚率を男性29.0%、女性19.2%としている。

ある人の判断能力が次第に衰えてきたとき、現在は親族などが成年後見人として財産管理などの判断を肩代わりしている。身よりのない人の場合には弁護士や司法書士などの専門職が成年後見人を引き受ける。

ただ、不心得な後見人もいて、2015年には親族を含む後見人による着服は521件、総額で29億7000万円だった。そのうち37件、1億1000万円が専門職による着服だった。

後見弁護士らの着服、昨年37件…過去最悪に (読売新聞) - Yahoo!ニュース

もちろんほとんどの後見人の方々は誠実に財産の管理をしている。だが、きわめて例外的に、たとえ専門職であっても魔がさして雑誌『自由と正義』に名前を晒されてしまうような人もいるわけである。

高齢化で高齢者は増える。上述のごとく生涯独り身の方も増える。その中の一定数が判断力が衰えて後見人を必要とする。後見人の需要は急増することが予想される。

中には少数とはいえ着服事件が起こっていることを見て人間不信となり、自分の判断力が保たれているうちにAIに後見人機能を委託する人も出てくるだろう。また、弁護士や司法書士などの専門職が引き受けるにはやや少額すぎる財産の管理も、人件費のかからないAIにやらせるようになるかもしれない。4月24日配信の東スポwebによれば、マツコ・デラックスの老後の夢は100億円のマンションを建てて共同生活することだそうで、その場合にはきっとマツコロイドが後見人になるのだろう。


マツコロイドを後見人にするためには、マツコ・デラックスの判断能力が衰えたときに財産管理をマツコと同じ判断基準でやってくれるようなAIを搭載すればよい。人間の判断とは、ある情報のインプットやある状況に対しどう言動でアウトプットするかというパターンの集積なので、マツコがしっかりしている間にマツコの判断パターンをAIに学習させる。そのためにはたとえばスマートフォンにAIソフトを常駐させておいて、電話やメール、電子決済などのパターンを学習させればいいわけで、理屈は簡単だ。

こんなふうに電子後見人の需要は確実にあり、その開発のためには法律家、エンジニア、医療者、行政などなど様々な分野の学際的アプローチが必要になってくるはずだ。

人間の判断・行動パターンのデータ収集には期間が長ければ長いほど正確性が上がる。このため一部の親は子供が小さいときからAIを後見人としてつけ、生涯を共に過ごさせるなんてこともし始めるかもしれない。

レイ・ブラッドベリの短編『吾は唄う、この身の充電するまで!』(『ブラッドベリは歌う』サンリオSF文庫 1984年 p.257-328)にはファントチーニ社製の電気じかけのおばあさんが出てくる。電気じかけのおばあさんは子供たちの乳母として八面六臂の活躍をするのだが、物語の終わり、子供たちが歳をとり老人となったときに再び電気じかけのおばあさんは呼び戻される。今では老人となった子供たちを、最後まで面倒見るために。

ゆりかごから墓場まで、AIが人間を見守る日が近い将来実現する。

それが人間にとって良いことなのかそうでないのかは、よくわからないが。

マツコ・デラックスの老後の夢の部分、4月25日に加筆しました。マツコ・デラックス人気への便乗です)

 

 

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