「馬鹿な答えはあるが、
馬鹿な質問というものはない」。
原文で言うと、
Man kan findes dum svar,
men man kan ikke findes dum spoersmaal.
デンマークに高齢者施設の見学に行ったときに教えてもらった言葉である。
なんて発音するかビタ一文分からないけれど、デンマークの学校ではよくこういう言葉を先生が言うそうだ。
生徒がつまらない質問をしたとしても、デンマークの先生は「馬鹿な答えはあるけれど、馬鹿な質問というものはない」と言いながら、一生懸命答えてくれるのだという。
「こんな質問してバカにされるんじゃないか」と思って質問をぐっと飲み込んでしまった経験は誰しもあるけれど、答える立場の人がこんな姿勢だと本当にありがたい。
ぼくは日々、町医者として診療に従事している。
時折、
「治療についてほかの病院で主治医に質問したら怒られた」なんてことを言う患者さんがいる。
「ほんとは主治医に聞きたいんだけど...」と言って、ほかの病院の薬についてそっと質問してくる患者さんがいる。
「こんなこと聞いちゃっていいかわからないけど」とおずおずと尋ねる患者さんがいる。
その都度、可能な限りわかることをお伝えするようにしている。
多少の時間はかかるが、これも必要なことだと思う。
そう簡単に、デンマーク人に負けるわけにはいかない。
(facebook2013年2月14日のものを加筆再掲)