〈峰: はやる気持ちを抑えて、思考実験してみましょう。米国の感染者数は2020年11月16日時点で16万6226人、と、ニューヨークタイムズ紙が報じています。同日の日本は1685人ですね。感染者の人数にざっくり100倍の差があるわけです。もしですよ、米国で、ありえませんが、国民全員がこのワクチンを打って、9割に効いたとします。そして残念ながら、ワクチン接種者でも1割が発症します。さて感染者は何人になりますか。
編集Y: え。16万6226人の1割ですから1万6622人…それでも日本の10倍だ。日本は168人。こっちは相当「効いた」感じがしますね。〉(峰宗太郎 山中浩之『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』日経プレミアシリーズ2020年 p.119。必読。R、勧めてくれてありがとう)
直感は、しばしば間違う。
ざっくりとでもいいから数字に落とし込むことで、おぼろげながら現実が見えてくる。
ワクチン接種が開始となり、明るい光が見えた気もするコロナとの戦いだが、上記のごとく数字に落とし込むとまだまだ油断できないことがわかる。
ワクチンが世界中に行き渡るまで時間はかかるし、ワクチン接種したとしても、当然ながらまだまだ警戒が必要だろう。マスク着用も続くし、会食や宴会の自粛も続くだろう。
各国はワクチン未接種者の入国を拒否するだろう。
この状況に少なくとも数年は耐えなければならない気がしている。
モデルナやファイザーのワクチンは状況を相当に改善したが、さらなるワクチン開発や治療薬、公衆衛生的な対策は不要になったわけではない。
新しい生活様式、ニューノーマルというものは一時的なもので、コロナ対策にめどがつけば元の生活に戻れると希望を持っていたが、考えを改めたいと思う。
うーむ。