なんだろう。ウソつくのやめてもらっていいですか、週刊女性セブン『隠れ副作用死者はまだまだいる!』と近藤誠氏とYahoo!ニュース(改題)

『隠れ副作用死者はまだまだいる!』
おどろおどろしい文字が表紙に踊る。
週刊女性セブン2021年7月29日・8月5日号だ。
 
記事(p.154-155)の主は近藤誠氏。
がん放置療法で人心を惑わせたあとは、コロナで荒稼ぎするつもりだろうか。
 
近藤氏の主張の中にウソは少なくない。
近藤氏は高齢者はワクチンを打つメリットが一定程度あると述べたあと(ショッキングな見出しで釣っておいてこういうことも書くのが狡猾だよなあ)〈しかし20〜30代の若い人は若い人は別。その世代はコロナにかかっても重症化しにくい一方、ワクチンを打つと一定数が亡くなるはずです。ましてや10代やそれ未満の子供たちはコロナの死亡者がゼロですから、リスクを負ってワクチンを打つ必要はない。〉と書く。
 
だが10代ではコロナの死亡者がゼロというのは明らかに大ウソだ。
もしぼくがワクチンの副反応がゼロと言ったらウソですよね。 ならばコロナで10代の死亡者ゼロと言ってもウソですね(*)。
なんだろう。ウソつくのやめてもらっていいですか、週刊女性セブンと近藤誠氏。
 
ワクチンのリスクを声高に叫ぶなら、ワクチンを打たない場合のリスクと比較しなければならない。
たとえばコロナウイルスが遠い外国のごく限られた地域でだけ流行っているのなら、ワクチンを打てとは思わない。日本国内にいるなら黄熱病のワクチンを打たなくてもよいのと同じだ。
しかしご存知のとおり、コロナウイルスは世界のどこにいても感染リスクがある。これまたご存知の通り重症化や死亡のリスク、回復しても後遺症リスクがある。
 
ワクチン接種のリスクを述べる場合に、比較対象として言及のないまま、恣意的にワクチンを打たないでもコロナに感染しない状況のみと比較しているのが近藤氏の卑怯なところである。
ワクチン接種のリスクをいうなら、ワクチン接種しないでコロナに感染した場合のリスクと(も)比較するのが科学者として正しい姿勢である。
科学者として正しい姿勢をかなぐり捨てていたずらにワクチン忌避を招くなら、それはもう医者ではなくただのウソつきではないか。
 
近藤氏のようなウソつきを跋扈させてはコロナ禍はいつまで経っても収束しない。
コロナ禍が収束しなければ景気は冷え込むばかりで、週刊女性セブンに出稿している広告主各位はそこのところをよく考えて出稿していただきたい。
週刊女性セブンの反ワクチンのプロパガンダにあまりに腹が立つので、今号に出稿している広告主を全部晒してやろうかと思ったが、品がないからやめておく。
だがぼくは1973年生まれなので、いい加減な記事で人心を惑わす雑誌に対して最終的にどう対応すればよいかは『マルコポーロ』を見て学んだとだけ書いておく。

蛇足だが、この『釣り見出し』、エキセントリックな極論という週刊誌の問題、構造的な問題もあるかと思う。 自社プロパーの編集部員とかを整理しちゃって外部の編集プロダクションとかフリーのライターに雑誌作りを丸投げしてるから、長期的な雑誌の名声より超短期の売り上げを求める構造になってしまっていると思います。
(*)…

www3.nhk.or.jp

追記)週刊女性セブンの記事が7月18日にYahoo!ニュースで配信されたので改題しました。
若い世代は重症化しにくいってウソですよね。Yahoo!ニュースは7月17日のニュースで自分とこで若い世代も重症化リスクありって報じてるじゃないですか。24時間経たないうちに真逆のこというのってウソつきですよね。

なんだろう、ウソつくのやめてもらっていいですか、女性セブンと近藤誠氏とYahoo!ニュース。
山口先生に聞いた「変異株の猛威 若い世代にも重症化リスク」(九州朝日放送) - Yahoo!ニュース