ここのところ職業人生後半戦ということを考えている。
職業人生後半戦で養わなければならないものに4つの「見る目」がある。
「人を見る目」
「社会を見る目」
「未来を見る目」
「己を見る目」
の4つだ。
まず大前提として、いちプレイヤー、いちソルジャーとしての能力は残念ながら頭打ち、徐々に衰えていくだろうということがある。
少なくとも体力は落ちるし、体力の低下に伴い判断力や思考力の、少なくとも反射的な、スピードというものは落ちてくる。
いちプレイヤー、いちソルジャーしての能力キープの努力はするとして、上記の大前提を踏まえると、職業人生後半戦はいかに他の人、特に自分より若い人に仕事を振っていくかが大事になる(なりつつある)。
そうすると誰に仕事をお願いするとうまくいくのかという「人を見る目」を養わなければならない。
そしてまた、社会という装置の、どのボタンをどう押せばコトがうまくいくかを知らなければならない。
一つの成果を出すにもいろいろやり方があるし、うまく話を持っていけばすいすいコトが進むが、ボタンを押し間違えると労多くして成果なしということもある。
だから装置として社会を捉え、「社会を見る目」も養う必要がある。
さらには何かを為す時にそれが世の中を良くし、より良い未来を作り出すものでなければならない。
「仕事とは世の中を良くするためのもの」ということを所与の条件、自明の理としているが、そこには疑問を挟まないこととする。
より良い未来を作るために要所要所で他の人の力を借りながら、社会という装置の正しいボタンを押してゆく。
そのためにはやはり何が良い未来か知らないといけないから、「未来を見る目」も養わなければならない。
そしていつの日か自分がいちプレイヤーいちソルジャーとして使い物にならなくなる日が来る。
あるいは変なふうに権力を持ってしまって老害化するかもしれない。
そうならないように、そしてもしそうなったら身を引けるように、「己を見る目」もまた、養わなければいけない。
「人を見る目」、「社会を見る目」、「未来を見る目」、「己を見る目」。
その4つの「見る目」を養うのに最適なのが古典を学ぶことだと思う。
人類に長らく読み継がれてきた古典には、4つを見るヒントが豊富に含まれているのだ。