読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

80代とクラシックカー(R改)

f:id:hirokatz:20160425223624j:plain

<青春とは人生のある期間ではなく 
心の持ちかたを言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、炎(も)える情熱さす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。>

詩人サムエル・ウルマンの詩の一節である(サムエル・ウルマン 「青春とは、心の若さである。」 角川文庫 平成8年 p.22-23)。
松下幸之助氏もこの詩を好み、アレンジして「青春とは心の若さである」とよく述べた。

 

同僚のドクターが言った。
「同じ80代でも、ずいぶん人によって雰囲気が違うよね。
失礼ながらくたびた方もいるし、ピカピカに磨きあげたクラシックカーのような人もいる」。

 

ハバナに行ったときに、噂どおり1950年代のアメリカ車がわんさか街を走っているのに驚いた。そのころはまだアメリカと国交回復していなかったので、アメリカから新しい車が入ってこず、昔輸入されたアメ車をみな手入れをしながら乗っている。
電子工学の固まりのような今の車と違い、昔のアメ車は構造がシンプルなこともあって、キューバ人はたいていの故障は自分で直してしまうという。
フォードにビュイックポンティアックアメリカン・グラフティブルース・ブラザーズなでかくて輝かしいいまだに現役なクラッシックカーたち。

あの体制の中で生まれ育ちたいとは思わないけれど、お気楽旅行者のぼくとしてはハバナの現役クラシックカーにはまた会ってみたい。

 

そんな話をしたら友人のRが言った。

「ピカピカに磨きあげた50年代のアメ車か。コンパイ・セグンドだね」

Rによれば、映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で名をはせたコンパイ・セグンドは93歳のときにこんなセリフを残したそうだ。
「人生で大切なものは、女と花とロマンスだ。私は今も現役だ。子どもは5人いるが、今6人目を作っている」

93歳でこの色気。まさに男の鑑。ちょっとは枯れろよ。

 

<スペインの諺に、三十歳までは女が暖めてくれ、そのあとは一杯の酒が、またそのあとは暖炉が暖めてくれる、というのがある>(北杜夫『どくとるマンボウ青春記』新潮文庫 平成12年 p.285)。

コンパイ・セグンドに程遠く酒も飲めぬぼくは、最近暖炉のカタログを集め始めた(嘘)。

 

閑話休題

日本の最大の課題は少子高齢化で、少子化だけはなんとかしないといけない。
けれど、心の若さに満ちあふれたピカピカのクラシックカーのような80代が、サルサラム酒の香りのただよう街を颯爽と行く高齢化社会ならば、それはそれでちょっと見てみたいものである。
(FB2013年9月26日を加筆再掲)

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

 

 

www.amazon.co.jp
関連記事

hirokatz.hateblo.jp

hirokatz.hateblo.jp

hirokatz.hateblo.jp

hirokatz.hateblo.jp