昔から、「丸い卵も切りようで四角、物も言いようで角が立つ」なんて申しまして。
言葉というものは時に人を傷つけ、時に人を救うものでございます。
ちなみにこの言い回し、英語にも似たような表現があって、「God in the tongue and the devil in the heart」、舌には神様 心に悪魔、なんて言うようでございます。
さっきググっただけでございますが。
まあなんですな、病院なんかに行きますってえと、口の上手い先生がいるかと思うと口下手というかなんというか、余計なことを言って患者さんを無駄に悲しませてご自分は平気でいらっしゃる先生もチラホラいらっしゃいますな。
もっとも私の知ってる先生がたは皆様腕は立つ心はやさしい、時に厳しいこともおっしゃいますがこれすべて患者さんのためなんていう医者の鏡みたいな方ばかりでございますが…。
ヨイショっと。
ああいえいえ、なんでもございません、座りなおしただけでございます。
まあそんなこんなで、大きな怪我をして入院して、はじめはベッドに寝た切りな状態から一生懸命リハビリして車椅子の状態まで回復したとしますな。
そんなときに主治医の先生から、「たった1か月で車椅子レベルまで回復したんですね。がんばってますね」なんて言っていただけたら、言われたほうは天にも昇る気持ちになりますですね。
まあ病院ですから、天に昇るってのがいいことなのかどうかはわかりませんが…。
「病院、そこは天国に一番近い場所」、なんて申しまして…。
ところがどうでしょう、一か月で寝たきりから車椅子まで回復したと言う事実が同じでも、「一か月かかってまだ車椅子レベルですか。こりゃなかなかこの先大変だな」なんて主治医の先生からぼそっと言われようものなら、言われたほうの落胆ぶりはいかばかりか。
そんな酷いことを言われたら、血の気の多い方だったら「主治医のお前を病院送りにしてやろうか!」なんてね。
…血の気の多いかた、ぜひ日本赤十字社の献血センターへおいでくださいませ。
現在B型が不足しているようでございます、よく知りませんが。
落語の世界でもそうした言葉の使い方をネタにした噺というのはたくさんございまして、え〜
「こんにちは」
「どうしたんだい熊さん」
「いえね、大家さん、なにやらただの酒があるってきいて遊びにきたんですが…」
(以下、落語『子ほめ』)
(FB2013年12月30日を再掲)