現在子育て中の我が家は、ベビーカーで外出することも多い。
大人ひとりでふらふら歩くときと比べ、ベビーカーを押しながらだと見えるものも変わってくる。
この道はでこぼこが多いなとか、電柱とごみ置き場の間がせまくて通りにくいなとか。
一番気をつかうのはバスや電車の中。
結構いやな顔をされることもあって、先日妻がベビーカーを電車に載せたときに70歳くらいの男性に「邪魔だ」と言われたそうだ。
ベビーカーに冷たい社会って、幸せなのだろうか。
あと5年もすればその男性も脚が悪くなって、車椅子になるかもしれない。
ぼくは医者として、車椅子だろうが松葉づえだろうががんがん外出して楽しく暮らせる社会が望ましいと思う。
ベビーカーに冷たい社会は、たぶん車椅子にも冷たい。
団塊の世代が75歳になる2025年には、きっともっと車椅子が必要な人は増える。統計では、2025年の日本人のうちの18.1%(!)が75歳以上だという。
そのときに車椅子で外出しやすい社会、車椅子に温かい社会ができていることを心より願う。
そしてそのことはきっと、ベビーカーに対して温かい社会を作ることと地続きであるはずだ。
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