「フランス語よりインドネシア語を勉強しておけばよかった」と彼は言った。inspired by『「自分の市場価値を高めなきゃ」で消耗している人に読んで欲しい話。』

「あーあ、こんなことならインドネシア語を勉強しておけばよかった」
そんなことを言われたのは96年の初春、パリのユースホステルだった。

 

ユースホステルの日本人部屋で一緒だった彼はフランス語学科でがっちり学んでフランス語がペラペラだった。
「でもさ、いざ就職となって直面したんだよな、現実に。正直、日本とフランスの貿易ってそんなにないんだよ。日本がちょこっとクルマ売って、フランスからワイン買うくらい。貿易額が小さいってことは仕事も少ない。それにしちゃあフランス語を話せる日本人って多過ぎるんだな。ほら、お嬢さんとかでも教養つけるとか言ってやたらとフランス語勉強してたりするじゃない。
それに比べるとインドネシア語って日本とインドネシアの貿易額からしたら使えるヤツが少ないから希少価値なんだよ。
あーあ、あれだけ労力をかけるんだったら、フランス語じゃなくてインドネシア語勉強すりゃよかった」

 

いまググッてみると、当時に近い時期の日本からインドネシアへの輸出額は65.2億ドル、インドネシアからの輸入額は236.3億ドル(円ではなくドル。ただし96年のものはみつからず2007年データ)。外務省サイトによれば2017年は日→インドネシアの輸出は15022億円(1.5兆)、インドネシア→日本は22307億円(2.5兆円)。

それに対し当時に近い98年時の日仏貿易は対仏輸出が6453億円で対仏輸入は6242億円。2017年では日→仏が7024億円で仏→日が11658億円(1.2兆円)。

現在、日本とインドネシアの貿易額(輸出+輸入)は日仏の貿易額の倍以上だ。

インドネシア語通訳がフランス語通訳の倍以上いるということはないだろうから、純粋にビジネスとしてみたときにはインドネシア学習者のほうがビジネスチャンスがあることになる。

 

「自分の市場価値を高める」より「成長するフィールドに飛び込む」ことがはるかに重要、というBooks&Appsブログ『「自分の市場価値を高めなきゃ」で消耗している人に読んで欲しい話。』(2019年3月4日配信)を読んで思い出した話。

 

ユースホステルの彼がどうしたかは知らぬが、まあそうは言ってもそのとき自分が勉強したいことやってみたいことがなにかってこともあるしなー。もしかしたらユースであった彼も、成長するアフリカ大陸フランス語圏で活躍してるかもしれないし。セ・ラ・ヴィ。
 
↓inspired by Books&Appsブログ『「自分の市場価値を高めなきゃ」で消耗している人に読んで欲しい話。』(2019年3月4日配信)
https://blog.tinect.jp/?p=56538

 

 

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