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週刊ポスト<「塩分を減らせば血圧下がる」は間違いだった>は間違いだった

今週発売の週刊ポスト11月25日号では、<その健康常識 今では大間違い>という特集をしている。表紙の中でも目につくのが<「塩分を減らせば血圧下がる」は間違いだった>の文字。

 

それにしても何度も思い知らされるのが雑誌の読者の高齢化だ。だって冒頭カラーページの特集が<こんなにオシャレになりました!「老眼鏡」「杖」「補聴器」最新カタログ>だもの。嗚呼、メディアはユーザーとともに歳を取る。

 

さて<「塩分を減らせば血圧は下がる」は間違いだった>の記事(p.44-47)を読んでみた。

記事の構成は以下の通り。

①減塩食にはもううんざり

②高血圧ガイドラインでは食塩は1日6g未満を推奨

③ I医師登場(本文では本名)、<「塩分摂取量が必ずしも高血圧に繋がるとは限らない。日本人の平均摂取量となる10~12グラム程度なら問題ない。

 むしろ、体を温める効果のある塩は、がんやうつなど病気予防のためにしっかり摂取したほうがいい」>(p.45)とのたまう。

④高血圧と塩分摂取は関係ないという研究があることを紹介。

⑤食塩摂取で血圧が上がる人とそうでない人がいる。食塩によって血圧があがる、食塩感受性はある人とない人がいる。
<日本人の役20%が食塩感受性の遺伝子を持つが、50%は塩感受性を持たず、食塩を摂っても血圧が上がることはないという>(p.46-47)
⑥<つまり、2人に1人は減塩する必要がないことになる。が、残念なことに、どのような人に食塩感受性があらわれるかなど詳細は分かっていない。>(p.47)

⑦なぜかみそ汁登場。みそ汁は高血圧予防の効果が。<本特集を奥様に読ませれば、今晩から味付けが変わるかもしれない。>(p.47) (おしまい)

 

本文をよくよく読むと、食塩感受性がある人は(記事によれば)約20%はいる。また、<2人に1人は減塩する必要がない>ということは、2人に1人は減塩する必要がある(かもしれない)ということだ。
だから本文を正確に見出しにするならば、『食塩感受性のない人の場合、「塩分を減らせば血圧は下がる」は間違いだった』であろう。それなら何の問題もない。

見出しを過激にして雑誌を手にとらせ、中身を読んでみるとそれほどでもないという雑誌の売り方は、たぶんよくあることのだろう。「東スポ商法」とでもいうのだろうか。

 

食塩感受性がある人とない人がいるのは事実だ。
しかし少なくとも食塩感受性がある人では食塩摂取量を減らすことが血圧を下げることにつながる。

ちなみに、Andersonらの研究では、日本人の食塩摂取の20%はしょうゆ、ソイ・ソースから、食塩摂取の9.7%はみそ汁から、9.8%は漬物や梅干しから来ている。(ソースはこちら↓)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4308093/

食生活、食文化と塩分摂取は密接に関連しているため、実際にはなかなか減塩は簡単ではないが、面白い方法が提唱されているので次回ご紹介したいと思う。(続く)

 
↓高血圧はなぜ怖い?病院と上手につきあって長生きできるコツ、載ってます。

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