世界最速の男、ウサイン・ボルト。
先行するアメリカのジャスティン・ガトリンがそのまま逃げ切るかと思ったのもつかの間、笑うしかないほどの速さでボルトが追い抜きゴールした。
9秒81、まさに人類最速。
ボルトはゴールするとそれほどスピードを落とさないまま、スタンドの観客のほうへ走っていった。
絶好の瞬間を撮り逃すまいと、カメラマンが必死で追いかける。
世紀の一瞬を焼き付けるべく、バズーカのようなレンズのカメラを抱えながらボルトに遅れまいと駆けるカメラマン。
地球上で今日一番がんばったのは、間違いなくこのカメラマンだ。
人類最速の男との追いかけっこなんてそうそう体験できるものじゃない。