クリスマス明けの月曜日、知人がこんな話をしてくれた。
「あっ、プレゼントだ!やった〜!!」。
12月25日、子供たちの喜びの声が家中に響き渡ったんだよ。いつもは出来るだけ長く寝ていたいうちの子たちも、この日ばかりは一刻も早くと寝床から飛び出しはしゃぎまわってた。
そんな子供たちの歓声は親にとって最大のクリスマスプレゼントだね。
たぶんこれほど嬉しいものはないし、部屋に満ちるはしゃぎ声も大きければ大きいほど良いと思う。
ただね、子ともたちが飛び起きたのが、午前2時でなければよかったんだけど。
クリスマスの日、子どもたちが目を開けたのはなんと深夜未明。途端にクリスマスプレゼントを発見し、大騒ぎさ。サンタとはすれ違いだったってわけ。
子どもらにしてみれば、プレゼントの中身が気になって仕方ないよね。
ぼくを叩き起こし、一分ごとに開けていいかと尋ねてくるんだ。
今年は土日とはいえ、こっちはさっき寝たばかり。だって、2時だぜ!?
はしゃぐ子どもたちにいいから寝ろと言うんだけど、目はランランで大興奮で、いっこうに寝ようとしない。
睡眠時間を少しでも確保したいぼくの口からはとうとうこんな言葉が飛び出した。
「クリスマスプレゼントを開けていいのは、午前6時以降って昔から決まっているんだ。まだ2時、あと4時間もある。あのね、クリスマスプレゼントって、朝になる前に開けたら煙が出て溶けて消えちゃうんだよ。
だから……、なんでもいいから、とっとと寝ろ!」
本当?、といぶかしがる子どもらに、思わずクリスマスプレゼントには光をあててはいけないとか、12時を過ぎてからエサをやるとクリスマスプレゼントは狂暴化するとか水をかけると増殖するとか追い討ちをかけてやろうかとも思ったが、どうやら半信半疑ながらも午前6時までは我慢してくれた。
そんなわけで、今年から我が家ではクリスマスプレゼントは夜のうちに開けると煙を出して溶けて消えるということになっちゃったんだ。
この間うちの子が友だちに電話してるのが聞こえてきてね、「知らないの?クリスマスプレゼントは朝6時まで開けちゃいけないんだよ!」って、得意げに言ってた。
なにはともあれ、メリークリスマス。
そういうと知人は、いたずらっぽくマグカップを軽く持ち上げてウインクしてみせた。欧米か。
世の中には意味不明のしきたりや風習がたくさん存在するが、たいていの場合、そうしたしきたりや風習はこんなふうにして誰かの苦し紛れの思いつきから始まっていくのである。
(FB 2014年12月25日を加筆再掲)
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