「集合天才」についてさらに考えるーアイドルグループを例に。

マイブームの「集合天才」。
わざわざ海を越えなくても、日本の芸能の世界にも「集合天才」の例があることに気づいたのでご報告する。
文献的に裏付けが取れないし聞きかじりなので仮にJ事務所としておく。

男性アイドルグループで有名なJ事務所では、新しいアイドルグループを組むときには異なる魅力を持つメンバーを組み合わせてグループを作っていくという。
仮にSというグループを立ち上げる際、まずは主軸となるKを選ぶ。Kの魅力がクールなかっこよさだとすると、Kに足りない茶目っ気をK自身に求めるのではなく、茶目っ気を持つNをグループメンバーに加える。かっこよいKと茶目っ気のあるNだけでは神秘性が足りないので、KとNに神秘性を求めるのではなく、言葉少なくどことなく神秘的なIを加える。
そうやって主軸となるメンバーにすべてを求めるのではなく、集合体として全方位に魅力を発揮できるようにチームを作っていくのがJ事務所のチームビルディングだという。これこそまさに「集合天才」のアプローチと言える。

ではどのようにしたら「集合天才」のアプローチをとることができるだろうか。
ここで発想の転換が必要になる。

「集合天才」のアプローチをとるためには、全体主義的、集団主義的で「全体責任は無責任/Everybody business is Nobody's business」的な手法ではいけないのだ。
「集合天才」アプローチを成功させるためには、全体をプロデュースする者の個性と、メンバー個々の「個」を尊重しなければならない。

「集合天才」を実現する個々のメンバーを選抜するためには合議制や制作委員会方式はおそらく向かない。強烈な個性を持った「個」が、同じく強烈な個性を持った「個」を選抜して「集合天才」チームを作るのである。

<一か月に一万通ともいう履歴書に、ジャニー喜多川は全部ひとりで目を通す。そのなかからピックアップして、オーディションをする。彼はこう説明する。「オーディションはボクと話をするだけ。事務所のスタッフもいません。部屋の鍵を開けて、椅子をならべて、ジュースとハンバーガー買ってきて。全部自分でやる」>
<「ユー」と少年たちに呼びかけるとき、彼は年齢に関係なく彼らを一個の独立した人格、人柄として扱っている。そして呼びかけられた側もまた、その呼びかけに自分の持つ全力で応えなければならない。少年たちは、自分の頭で考えて、それを実行に移す。その自主的な積み重ねが「成長」につながる。>(<>内、太田省一『ジャニーズの正体 エンターテインメントの戦後史』双葉社 2016年より)

「集合天才」を作る天才は日本にもいた。
上述のJ事務所のチームビルディングの手法は聞きかじりで裏を取っていないので、圧倒的コンプライアンスにより名前を明かすことはできないが、YOU、書いちゃってるよ。

 

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45

3分診療時代の長生きできる受診のコツ45