ボタンポン星でホモ・デウスはどう生きるか~ライフワーク、ライスワーク、ライクワークpart.6

しつこくしつこくライフワークの話。

 

〈二一世紀には、人間は不死を目指して真剣に努力する見込みが高い。〉(ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス河出書房新社2018年 p.33)
同書によればグーグルなどの大企業が「死を解決すること」を使命とするスタートアップ企業に投資しているという(上掲書p.36-37。漫画『インベスターZ』にもそんな話が出てきましたね)。
いつどういう形で「不死」が実現するのか、そもそも人間がそんなことを成し遂げてよいのかはわからないが、最低限言えることは、様々な寿命延伸技術が上記の研究が生まれてくるだろうということだ。

 

リンダ・グラットン他『LIFE SHIFT』が人生100年時代にどう生きるかを世に問いかけたのは記憶に新しい。
『LIFE SHIFT』の参考文献の一つ、マックス・プランク協会レポート『老いの探求』によれば、先進国では過去160年間に、平均寿命は年平均3ヶ月ずつ伸びているという。
我々は、不死とはいかないがえらいこと長生きする、あるいは長生きしてしまう可能性があるわけである。

 

かつてないほど人類が長生きしたときに何が起こるだろうか。
おそらく、人生に“飽きる”のではないかと思う。

 

藤子・F・不二雄21エモン』では、銀河系最高レベルの科学文明の星、ボタンポン星では人間は、死なない。
で、死ななくなったボタンポン星人は最終的に何をするか。
ベルトコンベヤーに乗って、0次元に旅立つのだ。
0次元では、全ての存在が消滅する。
死なないなんて素晴らしい、と言われたボタンポン星人はこういう。
「なにがすばらしいもんか!二千年も生きたらあきあきしちゃうよ」

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不死も当面無理だし、二千年も生きないだろうが、我々は前人未到の長生き時代にいるのは間違いない。
その長い長〜い人生を、アイデンティティクライシスを回避し、すり減らず飽きずに楽しく生き抜くために、目先の状況に左右されずに長く取り組めるようなライフワークを持つのはとても大事ではないかと思うわけである。

(あと一回くらい続く)

 

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