2020年はじめ、「トレード・オフ」を思う。

年末年始休暇で北海道に行っていました。御多分にもれず北海道の観光地も大陸からのお客様でいっぱいです。

 

あまり盛り上がりませんが、2010年代が過ぎ2020年代に入りました。
10年前の2010年といえば、日本のGDPが中国に抜かれた年でして、日本はこの10年間、世界第3位の経済大国として過ごしてきたわけです。
「日本は人件費が高いから世界での競争力が無い」という論調に従って生産拠点を海外に移し、国内の人件費を抑えて氷河期世代を結婚や家庭を持つということから遠ざけたまま、10年が過ぎ、いまや日本は「安い国」として世界から観光客が来るようになりました。

 

いろいろ思うところがありますが、一番思うのは、この国では(新年だから主語が大きい)、政策や施策や個人の選択において、「トレード・オフ」ということがあまり言われないよなあということです。
ここで言う「トレード・オフ」とは、「あちらを取ればこちらが取れず」くらいの意味でして、「非正規化による安い人件費」や「海外への生産拠点移転」を取るなら「国内のリッチな消費者」や「次の世代の再生産」は取れない(取れなかった)というくらいの意味です。

 

最近ずっと気になっているのは例えばベーシック・インカムの話で、本来のベーシック・インカムは、「毎月何万円かの現金を国民全員に配る」かわりに現行の健康保険制度や年金などの社会保障を全部やめ、その分のお金を支給しようという「現金支給」と「社会保障制度」とのトレード・オフの話ですよね。賛同者はいい点しか見ないけど。

 

また、ユヴァル・ノア・ハラリ『21Lessons』でも触れられていますが、たぶん生態系の維持や温暖化対策を徹底して考えると経済発展とトレード・オフになるはずですが、あまりそこらへんは言わないですね。
〈(略)技術的破壊と生態系の崩壊の組み合わせを考えると、若い世代は良くても現状維持が精一杯かもしれない。〉(上掲書p.36)

 

そんなわけで、これから一年&10年、どんな世の中になりますことやら。
あけましておめでとうございます。

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